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メディア・グローブ「ビューティプレスボード」の革新で化粧品PRは効率化と本質化へ

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美容エディターと、化粧品ブランドPR担当をつなぐプラットフォーム「ビューティプレスボード」が2021年1月にβ版がリリースされる。開発したのは、美容専門PR会社の株式会社メディア・グローブだ。これにより、リリース配信や取材誘致、商品貸出等がワンストップで可能になり、双方に大きな革新をもたらすことになる。その先に描く「PR5.0」の世界についても詳しく紹介する。

「これまで美容PRは“人”に依存する面が強かった。コミュニケーションも全般的にアナログで、未だにプレスリリースを郵送で届けたり、FAXで商品貸出のやりとりをしていたりする。今回のビューティプレスボードの提供によって、まずはブランドがオンライン上で商品情報を伝えることができ、プレスは自分が探している商品を検索でき、その流れから商品貸出まで可能なスマートなPRへ移行させていきたい」

そう話すのが、株式会社メディア・グローブ代表取締役社長 小田直人氏だ。開発の背景には、労働集約型で属人性の高い美容PR特有の事情を解消する狙いがあると強調する。

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株式会社メディア・グローブ
代表取締役社長 小田直人氏

美容エディターは、これまでブランド担当から配布される紙の資料に頼って最新の情報収集を行っていた。集められる数にも限りがあり、保管の問題やアップデート情報を得るための手間もかかる。また、ブランドPR側にも、貸出用商品の発送や問合せなどの労働集約的な業務の負担が大きいのが現状だ。そのうえ、双方にコネクションがなければ、お互いに得たい情報にたどりつけず、媒体との出会いの場が限られるなどの課題もあった。

「美容PRに関わる人と情報を集約したプラットフォームを提供することで、美容エディターとブランドPRの双方の負担が激減し、新規参入ブランドは手軽にPRを始められる、そして、既存ブランドは新たなメディアと出会える、そんな“美容PRへの入り口であり、マッチングの場となるサービスを目指した」(小田氏)

ビューティプレスボードには、新商品をはじめプレスに訴求したい商品情報の登録が可能だ。美容エディターはこのプラットフォームを通じて、キャッチコピーやキーワード、タグなどから化粧品の情報収集ができ、メディアへの掲載につなげることができる。ブランドPR側は、編集部との人脈がなくても、タグ付けなどの工夫で接点を持つことができるなど、新たなプレスとのつながり創出にもなる。

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ビューティプレスボードの概要

同サービスのベーシックな機能の3つを紹介しよう。

その1 商品情報の登録機能
ブランド側でプレスリリースや画像素材などの情報を登録・一元管理でき、プレスはそのデータベースから条件に合致する商品を検索できる。

その2 商品貸出機能
ブランドからプレスへの商品貸出機能で在庫のデータ管理から貸出受付、依頼状況の管理、将来的には掲載履歴のレポーティングまでが可能。

その3 発表会招待状、出欠の管理
ブランドがプレスに対し、リリースや招待状を配信し、出欠管理などを行う情報発信機能。

これらの機能が全て1つのプラットフォーム上で完結するかたちで、オンラインで利用できる。

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商品貸出業務を大幅軽減

これらの機能が複合的にもたらす実務の改革はさまざまあるが、とくに商品貸出においては在庫管理から受付、メディア掲載の確認までの商品貸出にかかるプロセスをプラットフォーム上で行える点が注目に値する。商品貸出のページはECサイトのようなUIとし、スマホでの閲覧や操作性にこだわったという。

「撮影やテスターとしての商品貸出はブランドPRの基本的な業務だが、アナログ作業で工数がかかるのが課題だった。とくに、大手ブランドは取り扱う商品数も多く、在庫管理や問い合わせ対応に人的リソースが大きく割かれている現状がある。ビューティプレスボードを利用すれば、こうした商品貸出業務の大幅な効率化が見込める」(小田氏)

商品貸出のオンライン化は、美容PR業務を請け負うPR会社にとってもメリットがある。ビューティプレスボードを通じて、作業負荷が軽減され、従来以上に多くのブランドと契約ができるだけでなく、定型業務から広報戦略立案やプランニングなどのコンサルティング業務にまで、より時間を割けるようになるからだ。

また、これら一連の美容エディターとブランドPRのやりとりをログとして残せることも大きい。たとえば、ブランドPR側では商品貸出の記録から、どのメディアに何のアイテムがいつどのような形で掲載されたのか、担当した編集・ライターが誰かなどの履歴が見られるようになる。

一連の開発を指揮した株式会社アイスタイル データベース統括センター長でメディア・グローブ取締役でもある勝並明子氏は、「これまでプレスへの取材誘致やリレーション活動は、担当者の経験や勘に頼ることが少なくなかったが、ビューティプレスボードを利用すれば客観的なデータに基づいて、より効果的に行えるようになる」と話す。

「効果」の可視化によりPR活動を刷新

こうしたPR業務の可視化により、前述以外にも業務効率化や付加価値の創出が期待できる。

これまでは、美容雑誌恒例のベストコスメ企画に参加するには、その都度、商品のエントリーを編集部に申し込む必要があったが、ビューティプレスボードでは、ブランドPR側が商品情報登録の際に企画へのエントリーが可能になり、それ以降の申し込みを省略できる仕組みを今後実装予定だ。

画像や素材などのプレスキットはデータベース化され、美容エディター側でダウンロードできるので、問い合わせごとにメールで素材を送るといったブランド側の手間も省けるようになる。あわせて、常に最新の商品情報のデータが入手できることは、美容エディターの原稿チェックや校正の手助けになる。

また、掲載実績のリストはブランドPR側のKPI測定の役にたつだけでなく、どの媒体にどういった形で掲載されたのか、経時的に捉えたものをマーケティングや営業担当者に共有することで、トレンドや状況分析など販売や棚どりといった活動のための参考資料としての活用が期待できる。

掲載実績一覧(上部抜粋)

メディア掲載実績一覧のページ概要。
エクスポートすればデータ分析にも使える

「プレスリリースの配信や商品貸出などで得られるデータからメディアリレーションの全容を可視化し、ブランドにとってPR活動がよりよいものになるよう支援したい。プレスに対しても、新商品情報をいち早く届けたり、ビューティプレスボード独自に企画のネタを提供したりすることで、コンテンツ作りやメディアの価値向上に貢献できると考えている」(勝並氏)

ビューティプレスボードは、2021年1月にトライアルとしてβ版をオープンする。ユーザーはまずはメディア・グローブとリテナー契約をしているブランド30社とプレス300名程度に留め、テストを兼ねて無料で運用したのち、2021年春に正式なリリースを予定。そのタイミングで新規のブランドやプレスの利用を募るとする。

メディア・グローブが描くPR5.0の世界

新型コロナウイルス感染症の影響でオンライン化が加速し、現在、PR領域でも次々と新しいサービスが登場している。総合PR会社のプラップジャパンとショーケースが立ち上げたプラップノードからは、広報PR業務をサポートする「PRオートメーション」がローンチ。さらに、ファッション専門PR会社ステディスタディがアタッシェ・ドゥ・プレス(ファッション業界に特化したPR・広報業務)をオンライン化した「エンチャンス」を立ち上げた。その大きな流れのなかでビューティプレスボードは、美容PRの新しい在り方を提案していく考えだ。

将来的にはプレスだけにとどまらず、生活者に影響力を持つインフルエンサーやオピニオンリーダー、美容部員などとブランドをつなぐプラットフォームへと進化させ、より機能的なPRの世界を実現したいとする。この新しいPRの在り方を小田氏は”PR5.0“という言葉で表現している。

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メディア・グローブが描くPR5.0のイメージ
画像:著者作成

PR1.0の世界では、ブランドPRは、会社を訪ねてくる編集者から対面で特集の企画説明を聞き、ブランドにふさわしい内容かを判断して商品の貸し出しを行っていた。PR2.0では、編集者がFAXで取材・商品貸し出しを依頼してくるようになり、PR側はプレスキャラバンや新商品発表会を企画するようになった。PR3.0の今はメールが連絡の主流になっており、それがビューティプレスボードの利用によってPR4.0へと進化する。

「PR5.0では、プレスだけでなく、インフルエンサー、YouTuber、ライブコマース事業者など、美容に関わるキーパーソンとブランドがプラットフォーム上で直接つながることのできる世界をイメージしている。美容PRをするうえでマストハブなサービスとしてビューティプレスボードを育て、ゆくゆくはアジア、そしてグローバル進出も果たしたい」(小田氏)

メディア・グローブのこの一連の取組みは、2015年にアイスタイルグループ傘下となって以来、アイスタイルが持つデジタルの知見とメディア・グローブのPRの知見を掛け合わせて生まれている。今後はアイスタイルが展開するクチコミサイト@cosmeとのデータ連携も進めていく考えだ。

@cosmeとビューティプレスボードに登録される商品IDを連動させ、同じくアイスタイルが運営する化粧品ECの@cosme SHOPPINGの売れ筋情報と掲載実績のデータを組み合わせれば、同社のマーケティング支援プラットフォームのブランドオフィシャルを通じて、PR効果による販売実績も可視化できる。これが実現すれば、ブランドPR側は、感覚だけに頼らないデータドリブンなメディアPR戦略を描けるようになる。

これは美容PRの在り方を変えるだけでなく、メディア・グローブにとっても労働集約型からサブスクリプション型へとビジネスモデルの転換を図る取り組みとなる。新型コロナウイルス感染症流行の影響により、これまで美容PRの業務として重視されてきた「人(=プレス)と会うこと」が容易ではないなか、PRにおいてもオンラインでのつながりの創出やコミュニケーションのニーズは高まっている。ビューティプレスボードはコロナ禍におけるPR活動を支援するサービスとしての期待も大きい。

Text: 清水美奈(Mina Shimizu)
Top image: Shiny Diamond via Pexels
画像提供:メディア・グローブ

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