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「WIRED Futures」、SFプロトタイピング観点から考える2050年のある人の美容生活

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パンデミックを経て、不確実性がますます高まる時代において、2050年は、どのような世界になっているのか。『WIRED』日本版は、技術やテクノロジーの進歩やおこりえる未来を空想し、ストーリーに落とし込むための「SFプロトタイピング」手法を実装/事業開発まで一気通貫で支援していくプロジェクト、「WIRED Sci-Fi プロトタイピング研究所」を運営している。次の30年を体感するOne Dayカンファレンス「WIRED Futures」で開催された「SFプロトタイピング」ワークショップの紹介とともに、そこからヒントを得て、美容視点で2050年の美容を取り巻く世界観をショートショート形式でまとめた。


SF的思考を取り入れたアプローチがビジネスに有効な理由

「2050年12月8日(木)午前11時、東京の気温はいったい何度?」
これは、SF Thinkingをテーマにしたトークセッションで提示されたタイトルだ。

「未来へのインサイトを提示しイノベーションに関わる人々をインスパイアする」ことが編集方針のメディア『WIRED』日本版が、2023年12月に開催した「WIRED Futures」では、このタイトルを起点にセッションがスタートした。登壇したのは、SF作家で声優の池澤春菜氏と開発ユニットAR三兄弟の長男 川田十夢氏で、2050年の未来像がさまざまな視点でまずは語られた。

「コンパクトなスマートシティに都市部の機能が集約されていくのではないか」「健康寿命は確実に長くなるだろう」「教育や学びの幅が広がり、窮屈さが軽減され、誰もがもっと生きやすい世の中になっているのではないか」といった想像から始まり、「未来の『視聴覚室』は『視聴味覚触覚室』になるのではないか」「空間コンピューティングによって、体験の価値と質がいまとまったく変わったものになるのではないか」「死後のデジタルツインの人格に関することを管理する死後省ができているかもしれない」といった発想へと拡がっていく。

SF Thinkingをテーマにしたトークセッションの様子

いまや当たり前となった動く歩道やタブレットPC、ドローン、電動キックボード、パーソナルAI、喋る家電などは、かつてSF小説のなかに登場している。つまり、未来を想像して描かれたもののいくつかは、すでに実現しているのだ。SF的思考を取り入れることで、ありうるかもしれない未来の可能性を探求しつつ、イノベーションの種を探り当てようというのがこのセッションの目的である。

パンデミックや地政学的リスクを経験したいま、現在の延長線上で未来を描くことはさらに難しくなっており、さまざまな要素をからめながら、未来から今を考える手法が用いられている。たとえば、三越伊勢丹によるメタバース起点イベント「FUTURE FASHION EXPO」では、いくつかの未来の社会の姿をフックに、その未来時点でのファッションの可能性を広く公募し、受賞作品はリアルでも製作するというアプローチがとられ、ここから新規事業の可能性をさぐっていくという。

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