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XRでバーチャル店舗、KDDIと@cosme TOKYOの協業でみえた次世代の購買体験

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KDDIが運営するスマートフォンアプリ「au XR Door」上に、東京・原宿の「@cosme TOKYO」を再現したバーチャルストアがオープンした。XRを駆使したそのショップ体験とともに、開発の裏側と今後の展望を、KDDIと「@cosme TOKYO」を所有するアイスタイル双方の関係者に聞いた。

没入感の高いショップ体験、バーチャルメイクやテスター動画も

2021年1月8日、アイスタイルはKDDIと共同でバーチャル店舗「@cosme TOKYO –virtual store–」をスマートフォン向けアプリ「au XR Door」上にオープンした。これは東京・原宿にある旗艦店「@cosme TOKYO」をバーチャル空間で再現し、XR(AR/VR)を活用した完全非接触の新しいショッピング体験を提案するものだ。「オンライン美容部員プロジェクト」をはじめとする施策により、小売の現場のDX をさらに推進し強化するアイスタイルにとって、@cosme TOKYO –virtual store–は次の一歩となる企画だ。

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入店は、au XR Doorアプリから画面をタップすると現れる店舗の入口ドアを開くことから始まる。店舗スタッフに出迎えられ、最初に目に飛び込んでくるのは、リアル店舗と同じ、「@cosmeベストコスメアワード2020」受賞商品をディスプレイした巨大タワー「ベストコスメアワードコーナー」だ(2021年ローンチ時点)。店内は360°の画像でぐるりと見渡せるので、あたかもリアルな店舗にいるかのような没入感が味わえる。矢印をタップすることでフロアの移動も簡単だ。5G推奨の高画質版機能を利用することで、内観や棚に並ぶ商品がきめ細かく細部までくっきりと見られる。

手のマークがついている商品展示では、実際に手にとって商品を試すユーザー視点から撮影したテスタームービーが視聴できる。使用感がイメージしやすいほか、通常のECサイトではわかりにくい、実物の大きさを確認できるのも利点の1つだ。また、ウィンドウショッピングのように連続したフロアを回遊するだけでなく、ブランドリストやフロアマップから目的の売り場に一気にワープすることができるのも、バーチャル店舗ならではの機能だ。

一部のブランドでは、自撮りした顔画像でバーチャルメイクを試せる機能も実装している。また、商品の横にある「i」マークを押すとアットコスメ公式通販「@cosme SHOPPING」に遷移し、詳しい商品情報や価格をチェックし、そのまま購入に進むことも可能だ。

スマホをかざすだけ、ARドアをくぐることで異世界体験

今回、@cosme TOKYO –virtual store–の制作チームを率いたのが、KDDIで5G・xRサービス企画開発を担当する氏原佳彦氏だ。同氏は、5年前にxRサービスの開発プロジェクトをスタートした当初はVRゴーグルを使用することが前提だったが、大容量データを瞬時に処理できる5G時代が到来した今、特別な機器を必要とせず、どこにいても利用できるスマホベースでの体験にシフトできたところが、サービスの実用化に大きく寄与したと話す。そのうえで、ARのドアを登場させることで、「異世界に行く」という非日常感を持たせ、スマートフォンに注意を集中させることで心理的な没入感を創出した。

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