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韓国ヴィーガンコスメ文化の定着、LG生活健康やアモーレパシフィックの新ブランドも

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韓国ではクリーンビューティやヴィーガン化粧品を支持するカルチャーが広く定着しつつあり、2010年代からのブランドも改めて注目され、新ブランドも相次いで登場している。注目ブランドの動向や韓国のヴィーガン認証機関の特徴など、韓国ヴィーガンコスメの最新の動きについてレポートする。

LG生活健康がFreshian、アモーレパシフィックはLongtakeをローンチ

ここ数年、環境やヘルスケアに対する社会的関心が高まるなか、韓国では食品や化粧品・日用品などヴィーガンをうたう製品ブランドが次々と登場している。韓国初のヴィーガン認証機関である韓国ヴィーガン認証院が認証したヴィーガン製品の数は、過去5年間で2,500に達したという。また、2020年下半期から認証サービスを開始した韓国のヴィーガン標準認証院が、すでに500以上の化粧品に対して認証を与えたという報道もある。

小売業界もヴィーガン製品の売り出しに意欲的だ。2022年4月には、国内最大のH&Bストア(日本でいうドラッグストアに相当)のオリーブヤング(Olive Young)が、1カ月間にわたりヴィーガンビューティキャンペーンという関連施策を実施し話題となった。

これまでスキンケアなど一部ラインに限られていたヴィーガン化粧品の商品群だが、基礎化粧品、メイクアップ、クレンジングなどフルレンジでの製品展開に拡大する傾向にあり、消費者ニーズの高まりにあわせて、ヴィーガンブランドおよび商品数はますます増えると予想されている。

2022年には、韓国の大手化粧品企業のLG生活健康とアモーレパシフィックの両社が相次いで新しいヴィーガンブランドをローンチさせた。LG生活健康が同年6月にローンチしたのが「Freshian」だ。

出典:Freshianの公式サイト

LG生活健康は、「belif」「The Face Shop」「VDL」などの自社ブランドですでにヴィーガン製品ラインをリリースしてきたが、全製品に対し米農務省(USDA)認証を受けた専門ブランドは、Freshianが同社初となる。メインターゲットは、環境問題に関心が高い20〜30代だ。

Freshianは各アイテムの原料はもちろん、サトウキビ由来素材でつくられた外箱や、トウモロコシのでん粉でつくられたパフなど、パッケージや付属品にも植物由来成分を取り入れている。ローンチと同時にクッションファンデ、リップバーム、プライマー、日焼け止めなど8種類の商品を販売開始しており、2022年内にはアイメイク、口紅、ファンデーションも順次展開していく計画だ。

Freshianに対するInstagram上でのユーザーの反応としては、「すっきりとしたデザインに好感が持てる」、「動物を愛する人間としてFreshianを信じて使いたい」「一度、ぜひ使ってみたい」など好意的なコメントが多く寄せられている。

アモーレパシフィックも、同じく2022年4月に新たなヴィーガンブランド「Longtake」をローンチしている。2020年6月に立ち上げた「Enough Project」に続く2つめのヴィーガンブランドだ。

出典:Longtake公式サイト

Longtakeの製品には、木工所で廃棄される古木のおがくずを再加工した「オークウッドアップサイクリング香料」がベースとして使用されている。また、ヒノキの葉、黒豆、バラエキスなど植物由来成分を使用し、製品ラベルや外箱への印字には大豆油インクを使用するなどパッケージも環境に配慮している。Longtakeは、ブランドローンチと同時にシャンプー、トリートメント、オイルなどのヘアケア製品をリリース。2022年下半期にはボディ、ハンドケア製品の発売を控えている。

「Longtakeの香りがとても良い」「ボディケアやフレグランスもあるとうれしい。新商品の開発に期待」など、主に香りに対するユーザーの高評価が目立つ印象だ。

クレアスなど2010年代に登場したブランドも改めて注目

韓国では2010年代からヴィーガン製品に注力してきた化粧品ブランドが、改めて注目もされている。環境問題に敏感な若い世代が増え、パンデミックでより安心安全な製品を求めるトレンドがそれを後押ししている。

たとえば、2010年に誕生した敏感肌のためのヴィーガン&エコフレンドリーなスキンケアブランド、クレアス(Dear, Klairs)は、韓国消費者フォーラムが主催する「今年のブランド大賞2022」で「今年のヴィーガン化粧品部門」の大賞を受賞した。「今年のブランド大賞」は韓国国内最大規模の業界向けアワードの1つで、ICT、家電、ヘルスケア、リビング、旅行、食品、外食、自動車、ファッション・ビューティー、人物・文化などさまざまなジャンルを網羅する。今期は2022年7月4日から17日まで一般消費者からのオンラインアンケート投票が行われた。

出典:Dear, Klairs公式サイト

クレアスは、ブランド運営やコンテンツコマースなど複数の事業ポートフォリオを持つウィッシュカンパニーが運営しており、国際動物愛護団体PETAのヴィーガン認証を取得。代表的な商品であるSupple Preparation Facial TonerとFreshly Juiced Vitamin Dropは、それぞれ累計販売数200万本を突破している。韓国、日本、米国、欧州、東南アジアなど全世界64カ国にオン/オフライン流通チャンネルを有しており、最近でも、さらなる海外進出に意欲的な姿勢をみせている。

クレアスの主な顧客層はヴィーガンフレンドリーなMZ世代(韓国におけるミレニアル&Z世代の意味)で、同年代層に合わせた多様なキャンペーンも展開してきた。今回の大賞で票を投じた年齢層も主に20〜30代で、この世代からの支持が厚いことがうかがわれる。

同じく2010年ローンチの「ボナジュール(Bonajour)」は、韓国消費者ブランド委員会と韓国経済新聞社が主催する「韓国ファーストブランド大賞」の天然化粧品部門で大賞を受賞。5年連続の受賞となった。

出典:Bonajour公式サイト

ボナジュールは、幼い頃からアトピーやアレルギーに悩まされ、天然植物素材を使って化粧品を自作していた代表のキム・ダヘ氏が、大学生の時に立ち上げたヴィーガンブランドだ。英The Vegan Societyなどから認証を受けている。

直近では、「Monday Museum」「Ye:pre」「Oneul Haru Malgum(OHM)」など、新たな独立系ヴィーガンブランドも続々登場している。

Monday Museumは、植物の皮や種から抽出した成分を活用。世界で最も審査が厳しいとされるフランスのEVE VEGAN など、3つの国際認証を取得している。

Ye:preは、緑茶などを原料とした製品を展開しており、チューブを使わないスティックタイプの塗るマスクやロールオンタイプのアイエッセンスなどを揃える。プラスチック使用量の58%削減を実現したパッケージや、FSC認証を受けたリサイクル可能な紙やソイ(大豆)インクを使用するなど、環境に配慮した商品づくりを推進している。また、前出のPETAや英国認証機関の認証を取得している。

OHMは紅茶キノコを使用したクレンジングフォーム、トナー、乳化液などの商品ラインナップを販売。いずれもイタリアのV-Label認証を取得している。

韓国独自の認証機関もヴィーガンブランドの後押しに

2010年代前半など早期に立ち上げられた韓国のヴィーガンブランドは、欧米の国際認証を取得することで、ブランドと製品への信頼性を獲得してきたが、近年は韓国のヴィーガン認証機関も設けられ、そちらを取得するブランドも増えている。

2018年、政府省庁・食品医薬品安全処から初めてヴィーガン認証機関として認定されたのが、韓国ヴィーガン認証院(Korea Agency of Vegan Certification and Services)だ。

代表を務めるファン・ヨンヒ氏は、もともと食品医薬品安全処に勤めていた経歴を持つ。国内にヴィーガン認証機関がなく、食品会社や化粧品会社が海外で認証を受けなければならない状況に危機感を覚え起業したという。

韓国ヴィーガン認証院で化粧品が認証を受ける場合、「原材料および製造過程に動物性原料が一切含まれておらす、動物を用いた実験を一切行っていない」というのが原則となる。これは海外の認証機関と同じ基準だ。ただし、書類審査にとどまらず、原材料審査や書類の補完作業に加え、必要であればDNA分析や現場調査などを行い、審査基準としては、海外認証機関と比較しても相対的に厳密なハードルを設けているといえる。

また、韓国ヴィーガン認証院の認証にかかる費用は、1商品ごとに日本円で約1~2万円。これは、海外機関の料金の60%程度だ。認証までの審査期間は30日で、早ければ2~3週間で完了する場合もある。認証の有効期間は1年間(更新制)だ。韓国にはヴィーガン標準認証院(비건표준인증원)という認証機関もある。こちらも必要によってDNA分析を行い、最短10日で認証を完了する。

韓国の認証機関は、認証事業だけでなくヴィーガンを正しく理解するための教育&コンサルティング、広報代行、会員企業への商品流通支援なども広く取り行っている。

2022年8月には、韓国企業評判研究所がビックデータを解析してヴィーガン化粧品ブランドの人気調査を行った。ランキングの上位をみると、1位はLUSHだが、2位〜5位にd'AlbaAROMATICADEAR DAHLIAtone28が並び、Dr. Bronner'sの6位を挟んで、7位〜9位はathe、Bonajour、belifと、ベスト10内に7つの韓国ブランドがランクイン。10位のHOURGLASSに続き、Melixirも11位につけている。2021年に下記の韓国ヴィーガンブランドを特集した記事で取り上げたブランドの多くが、現在でも根強い人気がある。

ヴィーガン化粧品が社会に広く根付いていくなか、今後数年で人気ブランドの順位がどう変化していくかも注視したいところだ。

Text: 河 鐘基(Jonggi HA)
Top image: Irina Strelnikova via Shutterstock

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