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協和がfracora HiMirrorで描くパーソナライズ提案とオープンプラットフォーム構想

◆ English version: Handy personalized beauty with Kyowa’s Fracora HiMirror
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2020年4月、「fracora(フラコラ)」を展開する株式会社協和は、台湾の大手EMS(電子機器受託製造サービス)企業 新金宝グループと業務提携を発表した。今冬にも、肌分析結果に合わせて化粧品を提案する新金宝のスマートミラー「HiMirror Slide」を「fracora HiMirror」として独占発売を開始する。まずはfracoraユーザー向けに、そしてその先にあるのは、ブランドの垣根を超えてクラウド上でユーザー情報を共有するオープンプラットフォーム構想だ。

fracora(フラコラ)は、2004年にコラーゲンドリンクでスタートしたエイジングケアブランドだ。2012年には、純度100%の原液にこだわった、手持ちの化粧品にプラスオンできる「原液美容ケア」という新ジャンルを生みだした先駆けでもある。「いつまでも健康で美しく」をテーマに美容・健康関連事業を営む株式会社協和のオリジナルブランドだ。

同社ではプラセンタの原液美容液からスタートし、「高純度・高実感」にこだわり、ユーザーが目的に合わせて成分をピンポイントで選べるシンプルさをコンセプトに商品開発を続けている。現在は全14種類(2020年7月14日時点)の原液美容液を展開しているほか、サプリメントや美容ドリンク、健康食品なども含めた内外美容を提案している。

現在フラコラを定期便で購入するリピートユーザーは約31万人で、利用者の年代は35〜70歳と幅広く、ボリュームゾーンは50〜70歳。今後の企業の成長性を考えると、40歳前後の新規会員を獲得したいという課題があり、それに対する施策のひとつが、今回の新金宝グループとの協業だ。株式会社協和 代表取締役社長 堀内泰司氏はその背景をこう語る。

「いまは、メーカーが商品を作って一方的に商売する時代ではない。ユーザーのニーズやその変化をいち早く把握して、それに寄り添った商品やサービスをタイムリーに、かつ適正価格で提供していく。どんなユーザーに対しても、“御用達ブランド” にならなければ、LTVを高めることができない。HiMirror は、そうしたアプローチを叶えるツールになるのではないかと考えた」

約4年前、HiMirrorが商品としてリリースされた直後にその高い技術力に注目し、協和から新金宝グループにコンタクトをとったのが始まりだった。

最新モデル「HiMirror Slide」を日本向けにカスタマイズして販売

HiMirrorを開発する台湾企業 新金宝グループは、ダイソンなど大手家電メーカーの製造を手掛けるEMS(Electronics Manufacturing Services)企業で、世界で初めてビューティスマートミラーを自社開発した。HiMirrorのWebサイトには、同社CEO サイモン・シェン(Simon Shen)氏が、妻が日課であるスキンケアをしているのを見て、鏡とスマートボディスケールを組み合わせた商品を作ろうと思いついたという開発エピソードが紹介されている。それまで家電が中心だった新金宝グループにとっても、美容分野へ自社のオリジナル製品として進出するきっかけとなった製品でもある。

HiMirrorの売上規模でみると、日本は、アメリカ、台湾に続く第3の市場となっている。美容院・スパなどを展開している企業と共同開発しているほか、大手ドラッグストア各社にもHiMirrorを設置するなど、近年、日本企業との協業が目立ってきている。

今回、協和が日本での独占販売権を得た「HiMirror Slide」は、CES2020でも発表されたHiMirrorの最新モデルで、折りたたみスタンド付きで個人宅でも使えるコンパクトサイズなのが特徴だ。

ミラーを指でスライドさせるとコマンド画面となり、肌分析、メイク用LEDライトの点灯、拡大鏡、動画の視聴や化粧品の利用状況のトラッキング、使用期間の管理などができるほか、CESの出展時ではアマゾンのアレクサが内蔵されており、ニュースの読み上げ、キッチンタイマー、音楽ストリーミング、SNS通話など、ユーザーの日常シーンに溶け込むホームデバイスとして使用することができる。

協和でfracora HiMirrorを担当しているヘルスケアコーディネーター 大木都(さと)氏は、「フラコラは、化粧品だけでなくサプリメントや健康食品も含めてトータルで内外美容を推奨しているブランドだ。fracora HiMirrorを生活に取り入れることで、肌状態だけでなく、睡眠、生活習慣などを含むライフスタイル全般のアドバイスや、そこに必要な商品候補を提案し、疲れにくい快活な体に導いていくためのサポートができると考えている」と話す。

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fracora HiMirror
提供:協和

現在は、今冬の発売に向けて、すでに米国で発売されている「HiMirror Slide」の機能を日本人向けにカスタマイズしている段階だ。そのカスタマイズの難しさについて、新金宝グループ HiMirror シニアディレクター ジェイソン・リー(Jason Lee)氏は次のように語る。

「日本の美容市場は、世界と比べても非常にユニークな市場だ。日本人は美容への意識が高く、肌分析の正確さ、細かさへの要求レベルが桁違いに高い。そのため、定期購入するユーザーを31万人も擁し、日本人の肌や美容習慣を熟知している協和と組むことは、我々にとっても大きな意味がある。現在は、皮膚科医やデータサイエンティストと協力してAIアルゴリズムを見直し肌分析の精度を高めている」

そのほか、肌分析後のアドバイスの表現を日本人のライフスタイルに合わせてわかりやすく変更するなど、細かな調整を行っているという。

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新金宝グループ
HiMirror シニアディレクター
ジェイソン・リー(Jason Lee)氏

fracora HiMirrorをきっかけに新規会員獲得を狙う

2020年7月には、β版として200台でモニターテストを開始。モニターからのフィードバックや追加機能の要望を集め、ユーザーを巻き込きこみながら機能のブラッシュアップを行っていくという。

今冬に予定している正式発売以降は、フラコラ会員でなくてもfracora HiMirrorを購入できる。購入者は、現在使用中のフラコラ以外の製品も登録することができ、それに合わせてどういった原液やサプリメントを組み合わせるとよいかといったアドバイスを受けることができる。

将来的には、毛髪や健康状態などの診断や、1 on 1のオンラインカウンセリングもできるように機能を拡張し、トータルビューティツールとして進化させていく計画もある。協和としては、fracora HiMirrorをきっかけに、新規会員を増やしていきたい考えで、販売価格はまだ未定だが、長く使い続けてもらうために手頃な価格を設定し、販売目標を50万台としている。

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株式会社協和 代表取締役社長 堀内泰司氏
提供:協和

堀内氏は「fracora HiMirror経由で蓄積されたデータを、ディープラーニング技術によりパーソナライゼーションの精度をあげていきたい。そして、クラウド上に個人カルテとしてユーザー情報を保存し、新規顧客とつながるためのオープンプラットフォームとしてサービス提供していくことも検討中だ」と構想を語る。これにより、企業間の連携や協業が活発になり、ブランドの垣根を超えて、ユーザーにとってよりよいパーソナライズサービスを提供できるようになるのではないか、という構想だ。

「ひとつの企業がユーザーのデータを独占するという時代ではもうない。オープンプラットフォームという考え方が、これからの時代には合っている」(堀内氏)

協和は、「持たざる経営」として知られている。「 "知恵の協業” こそが高い商品開発力の礎となっている」と堀内氏がいうように、これまでも大学などの研究機関や専門家、原料メーカーなどから共有される最新情報をもとに社内で商品企画を行い、国内外のOEM工場約50社と連携して商品を製造してきた。HiMirrorとの出会いと協業は、この文脈からも、そして同社のDX(デジタルトランスフォーメーション)としても、自然な流れだといえよう。

Text: 小野梨奈(Lina Ono)
Top Image: 協和提供

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