杉野服飾大学での美容業界DX講座、学生たちはバーチャル店舗や接客にポジティブ
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2021年6月28日、BeautyTech.jp編集部は、杉野服飾大学のファッションビジネス・流通イノベーションコース「ファッションテック論」を受講する学生を対象にしたオンライン講義を受け持った。テーマは「化粧品業界のOMO」だ。当日語られた接客DXの今と次のステップ、そして学生自身が考える未来の購買体験のあり方をレポートする。
学生がビジネスの現場で現在進行中のDXを実感する講義
杉野服飾大学 ファッションビジネス・流通イノベーションコース主任を務める五月女由紀子教授は、毎年「ファッションテック論」を開講している。アパレル業界における企画生産業務のデジタル化をサポートするAYATORI や、ファッションに特化したAIを開発するニューロープなど、ファッションテック関連企業のCEOらを外部講師として招き、実際のビジネスの現場でどのようにデジタライゼーションが進んでいるのかを、学生が知る機会を設けるためだ。BeautyTech.jp編集部も、ファッションに隣接するビューティテックの現在地を紹介する目的で70分の講義を担当した。
「パンデミックで加速した化粧品業界のOMO(Online Merges Offline)」と題した、Zoomを介するオンラインでの講義は3部構成で行われた。ここ1年で具体的にどのようなツールやサービスが化粧品小売の現場に導入されたのかを示す第一部、東京・原宿にある実店舗 @cosme TOKYOの施策事例の解説と、サービスの1つ「お買い物コンシェルジュ」を学生の代表がライブで体験する第二部、そして、1年後の@cosme TOKYOではどんな顧客体験が実現しているかを学生自身が想像してみるワークショップの第三部である。
美容業界全体で導入が進むオンラインツールやサービス
2020年から21年にかけ、パンデミックにより世界的にDX(デジタルトランスフォーメーション)が一気に加速した。これは、ロックダウン(都市封鎖)や外出自粛に伴い、リアル店舗に行くことが物理的にできなくなった消費者が、買い物の場をオンラインに移行。これに応えて、美容業界でも、ECサイトを充実させる、非接触でコミュニケーションがとれる新しいオンラインツールやサービスを導入するなど、企業・ブランド側は迅速な対応を図った。その変化のスピードは驚異的で、グローバルIT企業の幹部らが「一年半後に達成すると目論んでいたDXのレベルに、4カ月で到達した」と語るほどである。
講義ではまず、副編集長の十河亜矢子が実際にどのようなツールやサービスが登場したのかを具体的な事例とともに紹介した。
● ARバーチャルトライオン
購入前にメイクアップ製品やヘアカラーなどの色味を試したいという要望を叶えるのが、ARバーチャルトライオンである。オンラインショップやブランド公式アプリに実装するほか、店頭でも従来のテスターやタッチアップに代わるお試しツールとして導入が進んだ。非接触の安心・安全を実現するジェスチャーや音声によるコマンド、マスクをして来店する顧客がマスクを外さずにトライオンできる工夫など、パンデミックという状況に素早く呼応したのも特徴だ。
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