仏美容業界トレンド、触覚の数値化や企業横断の環境インパクト評価基準など 【Cosmetic 360】
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仏パリで2021年10月13日、14日に開催の化粧品国際展示会「Cosmetic 360(以下コスメティック360)」では、持続可能性に配慮した製品が多く目についた。また、同時開催された仏化粧品業界サミットでは、イノベーションで「メイド・イン・フランス」製品の国際競争力の強化がうたわれ、業界が共通して利用できる環境への影響評価とスコアリングの開発を進める共同企業体が発足した。化粧品輸出額で世界一の美容大国フランスの取り組みをみていく。
コスメティック360と化粧品業界サミット
フランスの化粧品産業は、世界化粧品輸出額1位を走り続けている。また、国内産業のうち輸出額では航空産業につぐ2位であり、フランス経済を牽引する競争力を備えた重要な産業の1つである。同国はロレアルグループ、LVMHグループ、シャネルなどグローバルブランドが多いことで知られるが、自然成分に着目したオーガニックコスメ、薬局を中心に販売される皮膚科医推奨の化粧品など製品コンセプトの幅が広く、原材料、R&D、検査機関なども含めて産業全体の強さを物語る。
近年は、消費者の要望やCSRの視点から環境に配慮した製品が注目を集めており、原材料、処方、パッケージなどの関連分野におけるイノベーションもいちじるしい。毎年10月にパリで開催される化粧品の国際展示会コスメティック360でも持続可能性を意識した製品が目立っていた。同じ会場で同時開催されたフランス化粧品業界のサミットでは、「メイド・イン・フランス」の価値をあげて国際競争力をさらに高めることを明示した。また、透明性を高めるために欧州を中心としたグローバル企業がコンソーシアム(共同企業体)の発足を発表したほか、さまざまなテーマのセッションが開催され、大手、中小企業、スタートアップらが肩を並べて意見を交わした。
サステナブル製品は今年も高い注目
フランスでは地球環境保全の流れから、ウォーターレスの固形タイプのシャンプーやデオドラント、リサイクル可能なパッケージを使用した製品作りが加速している。コスメティック360でも、固形化粧品のOEM企業が複数出展し、生分解性のシートを使用したフェイスマスク、海洋プラスチックを回収して作られた販促ツールなど、さまざまなイノベーションが発表された。
なかでも、固形のフレグランスを提案するスタートアップ「Made By Me」は、固形化した香水を着色することで、視覚に訴えるフレグランスにしたところが新しい。メイクアップのパレットのように、鏡のついたケースには2〜5色の香りを選んで入れられる。指先でとり肌や髪につけるタイプで、気分に合わせて複数の香りを混ぜ合わせることもできる。衣服などへの色移りもなく、アルコールフリーで肌にやさしい設計だ。
創業者のナタリー・デュラン(Nathalie Duran)氏は、ロレアルやコティでフレグランス事業の経験を積み、その専門知識を活かして、通常のフレグランスと同等に香りが長持ちする色つきの固形フレグランスを開発、2021年3月にローンチした。日本では練り香水と呼ばれるが、欧米ではソリッドパフューム(固形フレグランス)とカテゴライズされ、同ブランドはバームのような柔らかさを持つ独自のフォーミュラからクリームタイプと表現している。
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