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meecoなど5つの美容ECサイトが経験した外出自粛下での売上とユーザー行動の変化

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全国で新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言が発令された4月以降、小売店の多くが臨時休業となった。その間、化粧品ECサイトでは売上やユーザーの動きなどにどのような変化があったのか。meeco、HANKYU BEAUTY ONLINE、LOHACO、 NOIN、@cosme SHOPPINGの5サイトに聞いた。

■ 株式会社三越伊勢丹「meeco」「meeco variety」
メイクアイテムも好調、「間に合わせ」から徐々に「本気の購買へ」
デジタル事業グループ 化粧品EC部 スタッフマネージャー 
小菅美由紀氏

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出典:meeco

三越伊勢丹の化粧品EC「meeco (ミーコ)」「meeco variety(ミーコバラエティ)」の4月〜5月合算の売上は、スキンケア商品が昨年同期の約5倍(購買客数の前年同期比も約5倍)、メイクアップ商品は約4倍(同約4倍)を記録した。

サイトへのアクセスは4月頭から徐々に増加。SNSでの訴求や広告の強化を行ったことも奏功し、普段利用している店舗が休業して化粧品が買えなくなった新規ユーザーを多く呼び込んだ。人々の自宅滞在時間が増えたことでスキンケアの需要は高まるが、一方で、マスク生活によりメイクアップ商品は苦戦すると見込んでいた。しかし、結果的に新商品を中心に好調に推移したという。緊急事態宣言が全国に拡大した4月中旬以降、商品レビューには、「コロナのせいで色々とストレスがたまるが、届いたアイシャドウを見てニヤニヤしつつストレスを発散している」といった、化粧品を購入することで気持ちを上げているという声も増えていった。

外出自粛が人々に定着した4月下旬には、ラグジュアリースキンケアや美容機器も動きが活発化していったといい、「”間に合わせ購買”から”本気の購買”へお客さまの感覚が変化していったように感じた」(小菅氏)。

4月のサイト平均滞在時間も、前年同期比131.5%と伸長。小学館の「美的」「Oggi」「Domani」が制作協力しているサイト内コンテンツ 「THE NEW ME」や、特集ページ などがよく読まれており、コンテンツ経由の売上も4月以降右肩上がりだという。

図1

THE NEW ME コンテンツ
出典:meeco

THE NEW MEは、様々なメイクのイメージビジュアルのなかから、好きなものを選ぶと、そこからさらに、そのメイクのポイントやコツ、使用している化粧品が閲覧できるコンテンツだ。「じっくりサイトを閲覧する時間が増えたことに加え、店頭からの情報収集が出来なかったことが、よく読まれた要因と考えている」と小菅氏は話す。

meecoは三越伊勢丹で取り扱うラグジュアリーブランドを中心に223ブランド、またバラエティコスメに特化したmeeco varietyは 134ブランドを取り扱う。今後さらに、商品購入の手助けとなるコンテンツの用意や、SNSを活用した情報発信の強化に力を入れていきたいとする。


■株式会社阪急阪神百貨店「HANKYU BEAUTY ONLINE」
ホームフレグランスやキャンドルも売上増

第1店舗グループ 阪急うめだ本店 ビューティー営業統括部 化粧品EC事業部
原田和也氏

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出典:HANKYU BEAUTY ONLINE

約150のラグジュアリーブランドを揃える阪急百貨店の化粧品EC 「HANKYU BEAUTY ONLINE」でも、スキンケア商品の売上が大きく伸長した。スキンケアに比べるとそこまでの伸びではないものの、メイクアイテムも新商品を中心に受注が増えたという。

また、セルフケアとしてのボディケア、ヘアケア商品、リラックス効果が期待できるホームフレグランスやキャンドルも、ユーザーの自宅で過ごす時間が増えたことを反映してか、売上が前年を大きく上回った。「緊急事態宣言のあと、実店舗の休業を余儀なくされたブランドのスキンケア商品をまとめ買いする動きがみられた。従来オンライン未展開のブランドについてもECで取り扱い、ユーザーの不便解消を図った」(原田氏)。

そのほか、実店舗でも同じ商品を展示販売するコーナーを設けながら、ハンドソープや除菌ジェルなどの除菌・抗菌商品や、ハンドクリームなどのハンドケア商品を集めた特設サイト「BEAUTY POWER!」を設置し、販促を行った。

HANKYU BEAUTY ONLINEでは、緊急事態宣言の前後では、サイト滞在時間に大きな変化はなかったという。目的の商品をブランド検索から選んで購入したユーザーが多く、店頭で買い物する代わりのショッピングツールとしてECが利用されたようだ。「サイト内の滞在時間を増やせるような情報発信コンテンツを拡充し、今後ショッピングツールとしてだけでなく、よりリアルに近いかたちで買い物体験を楽しんでもらえるよう、改善していきたい」(原田氏)。緊急事態宣言解除にともない、休止していた店舗受け取りサービス も段階的に再開している。今後も店頭イベントと連動し、デジタルを活用した情報の発信を強化していきたいとする。 

■アスクル株式会社「LOHACO」
アスクル社員がテレワーク中で実感したコンテンツを発信
LOHACO生活用品統括部 ビューティー 部長
山本絵里香氏

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LOHACOの
コスメ・スキンケア・美容カテゴリー
出典:LOHACO

いわゆるデパートコスメからバラエティコスメまで約500ブランド を取り扱うLOHACOでは、2月以降、新型コロナウイルス感染症の流行が拡大するなかで、EC全体の受注が増加した。さらに4月中旬からは、全売上に占める化粧品カテゴリーの比率が上昇し、「化粧品を購入されるお客様のECへの移行を強く感じた」と山本氏は話す。

加えてこの期間は、「すごもり美容」「おうちで美活」「テレワークメイク」など、アスクル社員がテレワークをするなかで、必要と感じたコンテンツやキャッチコピーを積極的に発信。また実店舗の休業を受けて、メーカー各社と連携をとりながらデパートコスメ等の訴求強化にも取り組んだ。その過程で、検索エンジン経由のLOHACOへのアクセスが増えていった。特に店舗休業ブランドの商品を検索して購入する新規ユーザーが急増し、「いつも使っている化粧品が、ブランドの店舗営業自粛で買いに行けなかったので助かった」などの声が多数寄せられたという。

既存ユーザーにおいても、オーダー単価、頻度、購買率が上昇。コスメ・スキンケア・美容カテゴリーのトップページから、たとえば「化粧水」を選んで商品を探していくようなカテゴリー経由の購入と、サイト内検索経由の購入が増え、「ECで購入できるものはECで購入するという、化粧品の目的買いが増えた印象」(山本氏)だとする。

緊急事態宣言の解除により、実店舗での購入に戻る顧客も多くいるとみているが、「今後、ECが身近で便利に化粧品を購入していただく選択肢の1つになればと考えている。そのために、EC企業として各メーカーの皆様にとっても安心な売り場を提供するとともに、お客様のライフスタイルやインサイトの変化から生まれる新しい市場創造を各社とディスカッションし、お客様体験のオンライン化、ネットでの情報発信の強化を行なっていきたい」(山本氏)。

■ノイン株式会社「NOIN」
「お店に行く前に決める」購買行動が今後加速する
代表取締役 CEO 渡部賢氏

図1

出典:NOIN

取扱い商品7,000SKUの化粧品ECアプリ「NOIN」では、外出自粛の動きが本格化しはじめた3月から、売上、滞在時間、コンテンツの閲覧時間が軒並み増加した。

もともとNOINでは、メイクアップ商品はリップのカテゴリーが強かったが、マスク着用によるアイメイク需要、また自宅で過ごす時間の増加からのスキンケア需要が高まり、その変化に合わせた動画などをアプリ内コンテンツに反映させていった。とくにスキンケアカテゴリーでは、デリケートゾーンや背中ニキビなどのセルフケア商品が好調だったという。

NOINでは、緊急事態宣言が解除され、実店舗が営業再開しても顧客の不安は残るとみる。「店舗に行ってあれこれ見て迷いながら購入商品を決める、という流れは少なくなり、何を買うか店に行く前に決めるという購買行動が主流になると思う」(渡部氏)。また、この流れは日本だけではないとも指摘する。「欧米の小売企業はすでにこの傾向をキャッチし、サービス開発を強化している。私たちとしては、オンラインの販売強化だけでなく、小売店やブランドと連携しつつ『店に行く前に決める』ためにNOINでできるフォローアップを一緒に考えていく」(同)。

■株式会社アイスタイル 「@cosme SHOPPING」
ユーザーはECでも店舗と同じ体験を求めていると痛感
株式会社コスメ・コム 代表取締役社長 本橋未来氏

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出典:@cosme SHOPPING

@cosme SHOPPINGでは、4〜5月、オーガニックサーチ経由の新規ユーザーの流入とCVR(コンバージョン率)が目立って増えた。全体に占める新規ユーザーの比率も大きく上昇。店舗休業中に、アルビオンやコスメデコルテなど旧制度品の一時的な取り扱いを、ほかのECより早い段階で始めていたことも一因としながら、「このあと何ヶ月買えないのか分からない」という、先行きの見えない不安感がユーザーを購買に向かわせたとみている。

商品のカテゴリー別ではスキンケアの比率が上がったが、メイクアップの売上も堅調だった。「ブランドが実店舗で販売する予定だったキットや限定品のEC売り場として@cosme SHOPPINGを選んでいただいたケースが多数あった」(本橋氏)。

ユーザーからの問い合わせにも、従来はあまりみられなかった「どんなファンデーションを買ったらいいですか?」といった、従来はBA(ビューティアドバイザー)にしていたような質問も増え、アイスタイルグループのリアル店舗である@cosme storeのBAチームと協力して回答を作成した。「この経験から、ユーザーはECであっても店舗と同じような体験を求めていると痛感した」(本橋氏)。今後、@cosme storeと協力しながら、BAがユーザーの質問にチャットで答えるサービスを6月から7月にかけてテストし、実装する予定だ。

Text: 大塚 愛(Megumi Otsuka)
Top image: Yganko via Shutterstock

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