ポーラ新生APEXは、顧客と伴走するパーソナライゼーションで新境地を開く

◆ English version: Pola’s renewed APEX brand faces the future with long-term personalization support
New English article
◆ 新着記事をお届けします。以下のリンクからご登録ください。
Facebookページメルマガ(隔週火曜日配信)
LINE:https://line.me/R/ti/p/%40sqf5598o

2019年7月8日にリニューアル新登場するAPEX(アペックス)は、ケアパターンが従来の256万通りから862万通りへと大幅に増え、より一人ひとりに適したスキンケアとベースメイクの提供が可能になった。発売に先駆け、新生アペックスを体験したBeautyTech.jp編集部が見た、先端をゆくパーソナライゼーションのあり方をレポートする。

パーソナライズドスキンケアブランドの草分けとして、誕生から30年を経たアペックスは、これまで何回ものリニューアルを実施し内容を進化させてきている。だが、今回の改革におけるインパクトの大きさは過去と一線を画すものだ。

新生アペックス 出典:ポーラ

その1つが、ポーラが蓄積してきた1,800万件(※2019年1月時点)という膨大な肌データと高感度カメラを活用した静止画解析に加えて、AI技術を活用した独自の動画解析を取り入れた、業界初の肌分析技術の導入である。これは、現在の肌状態を深部まで高精度に分析するにとどまらず、5年後、10年後のために今から高めておくとよい力、肌の可能性を知り「肌のポテンシャル」までも分析できるところが革新的だ。しかも、店頭の機器を用いて診断を受けると、その場で分析結果が出る即時性も備えている。

そして、この肌分析技術に基づいて、顧客の「プランを立てる」→「プランを実行する」→「プランをアップデートする」というフローを描き、販売スタッフ(ポーラ ビューティーディレクター)が伴走して長く寄り添い、一人ひとりに最適なケアを提案かつサポートする。つまり、今も未来も美しい肌であり続けるために、客観的・科学的なデータと、気づきや励ましといったパーソナルなヒューマンタッチを組み合わせたスキンケアのデザインであるところが大きな特徴である。

ポーラでは、この肌の現在と未来を知る技術を「センシング」、先々までの予測に基づく提案や選択肢の提供を「コーチング」と定義し、新生アペックスの2つの柱に位置付けている。これら分析結果と対面カウンセリングにより得られた顧客の個別情報、生活環境や習慣を踏まえた上で提案されるケアのパターンは862万通りにのぼる。

当然ながら、アペックスがこの形に完成するまでの開発段階では紆余曲折と挫折があった。幾度も検討を繰り返してきた分析の即時化も、データ通信や分析機器のコストなど課題が山積し、サービス化への道のりは困難を極めた。現場のたゆみない努力と企業としての戦略が交錯するバックサイドのストーリーは次回にまとめるが、まずはアペックスを実際に試してみた体験から考察していこう。

動画で肌深部の状態を解析し、未来の肌を予測

アペックスの販売方法は従来通りで、アペックスの販売ライセンスを持つ1万9,000人のポーラ ビューティーディレクターが担当し、店頭または顧客の自宅での肌診断とカウンセリングを経て、顧客ごとにカスタマイズして最適化した商品を選び出すところから始まる。「プロファイリング」「アナライジング」「フィッティング」「オーダー」という、4つのプロセスで進めていき、最短30分ほどで終了する。

●プロファイリング
第一段階のプロファイリングでは、SKIN(肌悩みについて)、LIFE(生活習慣、体調など)、MIND(目指す美しさや理想の肌など、美容に対する価値観や好み)の3つのカテゴリーで、複数の質問の回答から個人プロファイルを作成する。

生活習慣について尋ねる項目

●アナライジング
次に肌を科学的に分析するアナライジングでは、「コンディション分析」と「ポテンシャル分析」を行う。

水分センサーを搭載した専用カメラを使い、肌表面を撮影。プロファイルデータと、ポーラが持つ1,800万件の肌ビッグデータをかけ合わせ、エイジング、毛穴、皮脂、ニキビリスク、コラーゲン、メラニンなどの項目から、「今現在」と「近い未来」の肌状態をAIが分析する。分析結果は、肌の色や形状、ゆらぎのタイプ、うるおいバランスとして表示され、あわせて、その要因も示される。これが、コンディション分析と呼ばれるものだ。

多様な情報の取得ができるのは、測定光源に紫外線、可視光線、近赤外線の3つの波長を使用する高感度撮影だからという。

コンディション分析の結果例

分析用カメラ(右)と
カウンセラー向け確認画面(左)

続くポテンシャル分析では、肌の動き(筋肉の動き)を動画撮影することで、表皮、真皮、皮下組織の状態を解析。5〜10年後の未来の肌状態と可能性を予測する。

皮膚の機能が正常な場合は、その下にある筋肉が適切に動くが、何らかの問題がある場合には若干のズレが生じるのを利用して、深部の肌状態を把握する方式で、無表情の状態から「あ→う→あ→う」「い→う→い→う」と、それぞれ縦と横に口をあけて、表情筋を動かす様子を14秒の動画に撮影する。その撮影データから170万個以上の特徴量(特徴を表す要素を数値化したもの)を抽出し、表皮、真皮、皮下組織の各状態を分析していく。これまで顔の動きを捉えて撮影するには、モーションキャプチャーのようなポイントが必要とされてきたが、NECとの共同開発によりそれを不要とした。

ポテンシャル分析の動画撮影
(撮影:編集部)

肌のやわらかさやハリ、弾力性を維持する役割を担う皮下組織の状態を知ることは、適切なスキンケアアドバイスには欠かせない。しかし、通常は特別な機器や解析技術を必要とするため、これまでは店頭で行うのは難しいとされてきた。ポーラは10年かけて研究に取り組み、店頭で、しかもどのビューティーディレクターでも正しく使用できる動画解析技術を開発した。

2018年9月にポーラ化成工業の研究員が、ドイツ・ミュンヘンで開催された第30回国際化粧品技術者会(IFSCC)世界大会口頭発表部門において、肌の「動き」による老化印象についての研究を発表したが、この研究内容がAPEXの動画分析技術に応用されている。

結果は数値化され、未来の肌のために、
今からしておきたいケアやアイテムの
レコメンドに反映

動画解析を解説した図
出典:ポーラ

●フィッティング
フィッティングでは、プロファイリングの内容とアナライジングの結果をもとにするとともに、“なりたい肌”や“したいケア”など顧客それぞれの思いや好みを汲み取り、今とこれからのスキンケアプランを完成させる。住んでいる地域や環境も考慮し、いつ、どのようなケアをしていくと良いのか、そのためには、どのような感触、質感、色を選ぶのが適切か、顧客がビューティーディレクターと話し合いながら、862万通りあるフィッティングパターンから決めていく。

この、人間のアドバイザーのサポートを受けながら、顧客がその場で自分の好みを取り入れて製品を微調整できるというところに、アペックスのパーソナライズドシステムの真骨頂がある。ウェブサイトで質問に答えるとAIが最適と判断したものが選出されるのとは違う、人が寄り添うことによってより深化したカスタマイズを提案できるサービスなのだ。

肌のタイプやレベルの分析結果をもとに、
優先してはじめると良いステップを探る

●オーダー
これらのプロセスを終えると、各自にあった全7アイテム(スキンケア、ベースメイクを含む)が提案され、最後の「オーダー」のフェーズに入る。

顧客に提案される各アイテムには、4〜5桁の番号がふられている。前半の2桁はアイテムナンバーと剤型、後半の2〜3桁は水分・皮脂のうるおいバランスと、ゆらぎ(安定・ニキビ・敏感)などを表す。

7アイテム全39種のバリエーションでタッチアップテスター(試供品)が用意されているので、推奨された番号のアイテムを実際に使用して、顧客自身が質感などの確認をしていく。その結果、例えば「もう少しさっぱりしたつけ心地がいい」などの希望があれば、変更も受け付ける。ポーラによると、後半の2〜3桁に関しては、分析結果に基づき肌状態に最も適した配合バランスとなっているため、できれば変えないことを薦めるという。

テスターで実際に試して
好みにあわせて変更できる

また、最新のデジタルプリント技術を使うことで、アイテムごとに顧客一人ひとり全て異なるラベルデザインで提供される。パッケージでもパーソナライゼーションを追求しているのだ。自分のためだけに処方されたスキンケアが「世界にたった1つのボトル」に入って手元に届く。ショッピング体験という観点からも付加価値が高く、顧客エンゲージメントを大きく高めるだろう。課題だった商品到着までにかかる時間も短縮。これまで、分析から商品到着まで約1〜2週間かかっていたところを、最短4日にまで縮めたのである。

データに基づいて人が伴走するパーソナライゼーション体験の濃密さ、顧客にとっての利便性含め、パーソナライズドスキンケアとしての最先端事例といえよう。新生アペックスは2019年7月8日より販売が開始される。

取材&Photo:公文紫都 (Shidu Kumon) Text:編集部                                 Top image: Barbara Sampaio via Unsplash

ありがとうございます!メルマガで隔週で更新情報配信中。ぜひご登録を!
37

BeautyTech.jp

美容業界の国内外のイノベーションを発信するメディアです。詳しくは → https://goo.gl/7cDpmf  BeautyTech.jp(English)move to https://medium.com/beautytech-jp

BeautyTech.jp記事

BeautyTech.jpのすべての日本語コンテンツはこちらからご覧いただけます
2つ のマガジンに含まれています