フェムテックは更年期女性も救う。続々立ち上がる「メノポーズテック」の現在
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生理トラッキングアプリなどに代表されるフェムテックへの認知が広がるなか、これまで語られることの少なかった更年期の不快な症状をテクノロジーで緩和する「メノポーズテック」に注目が集まってきた。とくに米国では医療相談チャットやほてり対策、膣の乾燥をケアするデバイスなど、新しいサービスが登場している。
Appleが女性の健康に関する新たな研究に取り組むなど、フェムテックが美容やウェルネス分野のイノベーションのメインストリームに躍り出ている。#MeTooやボディポジティブといったフェミニズムの流れを受け、月経前後の不快症状をはじめとする女性特有の悩みをオープンに語り、解消していこうという機運が高まっている。
そのなかで、従来は「女性の性」かつ「加齢」に関するものとして避けられがちな話題だった「メノポーズ(更年期)」にも光があたりはじめた。さまざまな企業が、専門家へのオンライン相談サービス、更年期症状緩和のためのデバイス、更年期に合ったライフスタイル情報提供など、多様なかたちのテクノロジーを提案している。そんな更年期対策テクノロジー、「メノポーズテック」の米国における現状と課題をまとめていく。
なぜ今、メノポーズテックなのか
「更年期」とは、日本産科婦人科学会の定義によれば、閉経の前後5年間、計10年間を指す。日本人の平均閉経年齢は50歳前後とされ、つまり45〜55歳前後の女性がそれにあてはまる。2015年時点の推計では、2030年までの15年間で更年期に入る人の数が全世界で12億人にのぼるとされており、それは全人口の約15%に相当する。そして更年期に何らかの症状を経験する人の割合は85%に達するともいわれている。
にもかかわらず、更年期症状のために医療機関を訪れる人は更年期人口の10%程度にとどまっている(上記論文より)。更年期症状は、ほてりや発汗、手足の冷え、気分の落ち込み、不眠、骨粗鬆症などさまざまだが、それが更年期によるものなのか、単なる一時的な疲労やストレスによるものなのか、判別できない場合も多い。とくに仕事をしている女性であれば、通院のためにスケジュールを調整したり有給休暇を取ったりするのも負担になり、受診せずに過ごしてしまう人も多いとみられる。
また医療機関での治療法の主流となっているホルモン補充療法(HRT)は、かつて乳がんリスク上昇が指摘されたことがあり、不安感を抱く人も少なくない。なるべくなら病院に行かず、かつ安心できる方法で更年期に対応したいというニーズが根強く存在している。
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