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OEMプラットフォームCOSMAKEなどトキワのオープンイノベーションが加速

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カラーコスメ製造の新規参入障壁を下げ、クリーンビューティカラーコスメ受託製造で確固たるポジショニングを狙うためのオープンイノベーションを推進する老舗OEM/ODM企業株式会社トキワが、2020年12月にカラーコスメ製造のためのビジネスソリューション「COSMAKE」をローンチした。同年7月に実施したアクセラレータープログラムとの両輪で、カラーコスメ進出を狙う異業種企業やスタートアップのビジネスサポートを、より一層強化していく。

日本のクリーンビューティ、サステナブル文脈でのトキワのセッション

トキワが提供する新しいビジネスソリューション「COSMAKE」のローンチは、2020年11月26日、27日に開催された、BeautyTech.jpがメディアパートナーをつとめたビジネスカンファレンス「MASHING UP vol.4」のセッション、「国内OEM発の『ビューティー・アクセラレーターアワード』開催 by Glossy Japan」で発表された。

今回のMASHING UPのテーマは、コロナ禍で働き方やライフスタイルが大きく変化した今こそ重要とされている「Explore! The New Well-being(これからのウエルビーイング)」だ。女性に対するデジタル教育の普及活動を行うiamtheCODE創設者のマリエム・ジャム(Marieme Jamme)氏や、デジタル人類学者のパヤル・アローラ(Payal Arora)氏といった世界から注目される社会活動家や起業家のキーノートセッションのほか、働き方やサステナビリティをテーマにしたオフラインとオンラインを横断する23のセッションが開催され、のべ1,205人が視聴した。ウエルビーイングのなかでも、サステナブルな生き方は大きなテーマだ。その一環として、化粧品OEM企業としてクリーンビューティの理念を掲げるトキワのセッションが行われた。

横型@2x-100

提供:株式会社メディアジーン
MASHING UP

カラーコスメの参入障壁を下げるビジネスソリューション

今回のセッションでトキワが発表したのは、カラーコスメで新規参入したいスタートアップや異業種から進出したい企業にとって、大きな意味をもつサービスだ。

カラーコスメへの新規参入が難しい理由として、SKUが多い、シーズンごとにトレンドカラーが変わる、小ロット対応が難しい(一般的に1アイテム2,000個から)、企画から製品化まで時間がかかる(通常9ヶ月〜1年)、薬機法など法規の専門性が必要で異業種からの参入障壁が高いなどがある。そのため、スキンケア、ヘアケア、ボディケアと比べても新規参入が難しいとされてきた。そうした現状に、一石を投じるのが「COSMAKE」だ。

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出典:COSMAKE

COSMAKEは、トキワがこれまで10万回以上繰り返してきたコスメ製造プロセスから得た知見やノウハウを集積し、カラーコスメ製造のすべてのプロセスをシンプル、かつシステム化させたもので、専用サイト上で顧客登録後、製品の選択やサンプル依頼、注文がすべてワンストップで完結し、わずか7ステップで自社製品をつくることができる。しかも、1アイテム500個からという小ロットで注文でき、ブランドロゴデザイン受領後、最短30日で商品が完成する。

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注文から納品まで
7ステップで完了する
出典:COSMAKE

COSMAKEを担当するトキワ株式会社 センターオブイノベーション部 尾中朋麿氏は、「これまで、カラーメイク製品の開発には長期間かかるのが当たり前で、資金力のないスタートアップなどは、ビジネスを軌道にのせる前に息切れしてしまうケースも少なくなかった。COSMAKEを活用することで、製品開発期間を短縮化し、資金と時間、エネルギーをビジネスのブースターとなるマーケティングや販売施策に費やしてほしい。そして、ビジネスが軌道にのった暁には、COSMAKEを卒業して、フルカスタマイズ可能なオリジナル製品を開発するトキワの既存製品開発へとステップアップしていってもらいたい」と、立ち上げの思いを語る。

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株式会社トキワ
センターオブイノベーション部
尾中朋麿氏
提供:株式会社メディアジーン 
MASHING UP

COSMAKEは、トキワが得意とするアイライナー、アイブローなどの軸物を中心にスタートした。2021年2 月にはアイシャドウとマスカラ、サンスクリーンが追加される予定で、その後、毎月数アイテムずつ製品が追加され、春頃には、リップ、ファンデーションを含むカラーメイク全般に広げていく予定だという。

2020年12月22日にβ版がローンチされたばかりだが、「すでに想定以上の新規顧客登録があった」と尾中氏。そのうち8割が新規参入のスタートアップで、2割がすでに化粧品を販売している企業だが、「スキンケアだけでなくカラーメイクも展開したい」「ノベルティとしてカラーメイクを製造したい」といった要望があるという。すでにサンプル請求まで進んでいる企業もあり、春前には、COSMAKEで製造されたカラーメイク製品の上市が実現しそうだ。

また、COSMAKE自体も、これから化粧品をつくりたいスタートアップや異業種参入企業のための情報プラットフォーム的な役割を担えるよう内容を充実させていく予定で、2月12日(金)には初のウェビナーを開催する。

「TOKIWA Lab. ビューティーアクセラレータープログラム」ファイナリスト3組が決定

アワードセレモニーでは、2020年7月に始動した「TOKIWA Lab. ビューティーアクセラレータープログラム」のファイナリスト3組のピッチも行われた。

アクセラレータープログラムの内容は、「プレシード」(アイディアステージ)、「シード」(事業準備ステージ)、「アーリー」(事業開始直後ステージ)の企業や団体を対象に募集を行い、選抜企業には、ビジネスステージに合わせて製品やサービスの開発・製造のバックアップをトキワが提供するというものだ。2020年5月にプログラムの実施が決定し、6月にエントリー受付を開始する、といった短期間の募集にもかかわらず46組からの応募があったという。どのようなビジネスアイディアが採用されたのか、以下で詳しく紹介していく。

図1

TOKIWA Lab.
ビューティーアクセラレータープログラムの
支援内容 
出典:トキワニュースリリース

■無痛かつ中空部分から薬剤の注入が可能なホロー製マイクロニードル(シンクランド株式会社)

2014年設立の光学・電気技術を用いた医療機器及び検査測定機器等の製造及び販売をおこなうシンクランド株式会社は、生体適合材料を用いた直径100μm以下の微細針で、無痛かつ中空部分から薬剤の適量注入が可能な世界初の技術「ホロー製マイクロニードル」を持つ。

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の2018年度「研究開発型ベンチャー支援事業/企業間連携スタートアップに対する事業化支援」にも採択されており、痛みのない次世代型の医療用DDS(drug delivery system)としての応用開発を進めてきた。

ホローニードル

貫通孔のあるホロー型マイクロニードル
提供:シンクランド株式会社

その技術を美容分野にも応用するべく、同社はノック式とパッチ式の美容器を開発したが、化粧品として商品を仕上げ、グローバルに販路を開拓していくための協業先を探していたところで今回のプログラムを知り、応募にいたったという。同社 代表取締役 宮地邦男氏は、「本プログラムに参加したことで、現状の課題分析と今後の明確な指針がみえた。トキワとの協業により、自社の強みを活かしながら商品を完成させ、国内だけでなく、グローバルマーケットへの展開を狙っていきたい」と今後の抱負を語った。

いま市場に出ているいわゆるマイクロニードルパッチは、針に当たる部分に薬剤が塗られているものが多いが、同社の技術で薬剤を注入できるという点が大きく異なる。また、生分解する素材からつくられている点も評価された。

■化粧品を用いて、社会課題や地球環境を好転させるビジョナリーブランドを考案(The STUDIO. Glossy & MASHING UP

化粧品という手段を用いて、価値観や生き方を肯定し、社会課題や地球環境をよりよくしていくビジョナリーブランド「7 nana」を発表したのは、インフォバーングループのクリエイティブチーム「The STUDIO. Glossy & MASHING UP」だ。他人やトレンドに左右されず、性別や年齢などの垣根を超えて、自分らしい美しさを体現できることを7色の世界にたとえ、人、社会、地球が抱える7つの課題解決を目指して7つのfreeをうたい、ベースメイク、アイブロウ、アイシャドウ、チーク、リップ、ハイライトが1本で完結するオールインワンカラーコスメを考案した。色や質感は70通りから選ぶことができ、パッケージのボディも好きな色・柄から選んでカスタマイズを楽しむことができるというものだ。

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提供:The STUDIO. Glossy & MASHING UP

「アイディアはあるが、製品をつくるノウハウを持たない私たちにとって、選考過程のディスカッションは気づきと学びが多かった」と語るのは、同社 The STUDIO. Glossy & MASHING UP 代表 中村圭氏。今後は、製品開発と並行しながら、母体であるインフォバーングループのもつメディアをアセットとして活用し、D2Cブランド育成のためのブランドコミュニケーションをワンストップで実践していく予定だ。

■皮膚常在菌叢解析に基づくパーソナライズドスキンケアの開発(UBLOME)

東京理科大学薬学部2年生の柴田未央氏が代表を務める「UBLOME(ユーブローム)」は、皮膚常在菌叢解析にもとづく敏感肌向けパーソナライズスキンケアの事業化に向けて、同大学内組織である起業推進センターURAと連携して研究を続けてきた。しかし、大学では化粧品の開発は難しいと行き詰まっていたときに、今回のアクセラレータープログラムの存在を知ったという。

「審査を通じて、皮膚常在菌叢の検査をどのように広げていくのか、製品やサービス発展のアイディアをいただいた。まずは、既存化粧品とのマッチングを目指し、その後、パーソナライズスキンケアやヘアケアの開発を行っていく。また、蓄積された検査データをプラットフォーム化して、大学での研究や医療分野に貢献していく、といった役割についても検討していきたい」と述べた。

20201122_MASHINGUP資料_UBLOME

提供:UBLOME

柴田氏は、ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセンファーマ株式会社と東京大学センター・オブ・イノベーション、東京理科大学が共催した「『病のない未来』を実現するためのアイデアコンテスト」でも優秀賞を受賞しており、今後活躍が注目される学生美容起業家のひとりである。

TOKIWA Labとして2021年の実施も発表

「TOKIWA Labビューティーアクセラレータープログラム」は、2021年5月に第2回目の実施が決まっていることも発表となった。株式会社トキワ 副社長 金井博之氏は、「ビューティは、人を幸せにする事業である。よいアイディアとマネタイズを両立させたサステナブルなビジネスを叶えるために、トキワが長年培った礎を活かしたアクセラレータープログラムとCOSMAKEの2つの取組みを進め、縁の下の力持ちとして、パートナー企業のビジネスを全力でサポートしていきたい」と締めくくった。

Text:小野梨奈(Lina Ono)
Top image:株式会社メディアジーン MASHING UP


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