SDGsコスメの本流、韓国「TOUN28」が積み上げるユーザーからの強固な信頼感
◆ English version: South Korea’s TOUN28 — bringing sustainable cosmetics to the mainstream
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韓国市場では環境保護など地球の持続可能性を意識した「クリーンビューティ」や「SDGsコスメ」の存在感が増している。なかでも近年、認知度が上昇しているD2CブランドがTOUN28だ。国連と連携するNGO組織による「持続可能ブランド30」にも選定された同社の成り立ち、ビジネスモデル、そしてサステナブルへのこだわりについて紹介する。
エンジニアと天然由来原料の専門家が立ち上げたビューティスタートアップ
TOUN28は2016年8月に設立されたビューティスタートアップで、同名のブランドを展開、パク・ジュンス氏とチョン・ヤンスク氏が共同代表を務めている。掲げるブランドメッセージは「環境と個人のために行動するブランド」だ。
パク氏はもともと美容関連の専門家ではなく、LG電子で電子機器のUXデザインや消費者データ解析に従事していたエンジニアだった。美容機器の開発に携わったこと、また自身が化学成分に対してアレルギーを発症したことなどがバックグラウンドとなり、化粧品の天然由来原料の研究員だったチョン氏と意気投合して化粧品業界での起業に踏み切った。ふたりとも、40代になろうかというタイミングで勤めていた会社を退社。創業翌年の2017年から、本格的に事業展開を開始している。
出典:TOUN28 公式サイト
TOUN28が注目を浴びたきっかけは、2017年当時から「ビッグデータ」「サブスクリプション」「パーソナライズ」「クリーンビューティ」など、最新トレンドを新興ブランドビジネスに持ち込む戦略を構築していたからだ。具体的には、気候変化のビッグデータとユーザーの肌データを複合的に解析し、28日ごとに各自に最適なオーガニックコスメを届けるというサブスクリプションモデルを打ち出した。アプリや店頭にユーザーが訪れるのではなく、TOUN28のスタッフがユーザーと実際に面談して肌データを測定、カウンセリングを行うというユニークなアプローチも話題となった。
設立から約1年で1万人あまりの肌診断を行い、2017年末当時、韓国化粧品業界内の基準(単一商品)とされていた再購入率約3%を大きく上回る、28.3%という数字を達成して大きく報じられた。
TOUN28は、韓国大手化粧品メーカー アモーレパシフィックが運営するアモーレパシフィックベンチャーズから投資を受けた実績もある。同CVCはビューティ機器や製剤技術に関わる企業にのみ投資を行っていたが、TOUN28は新興ブランドとして例外的に投資誘致に成功している。TOUN28独自のビジネスモデルや、ブランドの将来性を評価した結果とされている。
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