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中国新興フェムケアブランド「Big Tree Cloud」、生理の貧困など社会課題に切り込み急成長

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景気低迷が続く中国だが、堅調な市場のひとつとなっているのが生理用品カテゴリーで、有望なスタートアップも生まれている。生理用ナプキンを主力商品とするフェムケアブランド「Big Tree Cloud(大樹雲)」が急成長し、米ナスダック市場への上場を計画している。2020年に創業したばかりの同社の成長の背景を、その戦略や今後の展望を交えて紹介する。


米特別目的買収会社と合併しナスダックで上場を計画

不況が伝えられる中国経済だが、中国のフェムケアブランド「Big Tree Cloud(大樹雲)」はそんな環境をものともせず、2023年10月に、米ナスダック市場に上場する計画を発表した。米国の特別買収目的会社 Plutonian Acquisition Corpと合併し、Big Tree Cloud は持株会社 Big Tree Cloud Holdings の傘下として運営される予定だ。Plutonianは、Big Tree Cloudの市場価値を5億ドル(約717億円)と評価している。

合弁相手であるPlutonianのCEO ウェイ・クワン・ン(Wei Kwang Ng)氏は上場計画のプレスリリースで次のように期待を述べている。

「私たちのチームは、この歴史的瞬間に参加できて光栄に思う。Big Tree Cloudの大規模で革新的な技術は、消費財市場のさまざまなトレンドに結びついており、同社の優れた経営陣は、その豊富な経験とプラットフォームにより堅実な成長計画と戦略を実行し、株主に持続的な価値を提供するだろう」

創業時から「生理の貧困」の社会課題解決にも着手

Big Tree Cloudは2020年に創業。同年に系列企業としてテック企業の大樹雲網絡科技(深圳)と投資会社の広東省大雲投資控股集団が設立された。2022年には製造拠点として東莞大樹雲生活用品を設立、中国のインターネット百科事典「VIBAIKE.COM(全球百科)」によると、同社の年間生産能力は10億元(約201億円)を超える。

ホルムアルデヒド、綿毛パルプ、蛍光染料、防腐剤を不使用で、安全性の重視をうたうBig Tree Cloudの生理用品
出典:Big Tree Cloud公式サイト

主力製品は生理用ナプキンで、一番人気の「消毒級」をはじめ、「DSY空気感シリーズ」や「Z世代シリーズ」「寵妃シリーズ」など、15アイテムを展開。アリババグループ(阿里巴巴集団)のECプラットフォーム「Tmall(天猫)」の旗艦店では、4パックセットが44元(約890円)から74元(約1,500円)程度と価格帯は幅広く、中国で販売されているユニ・チャームやP&Gのような海外ブランドとあまり差はない。このほかにもオーラルケアやパーソナルケア用品も展開しているが、アイテムは数少なく、生理用ナプキンが主力となっている。

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