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D2Cブランドからザ・ボディショップ、ロレアルまでソーシャルセリングへの熱視線

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パンデミックにより、商品購入の場が店頭からオンラインストアへとこれまで以上に移行しているなか、SNSを活用した「ソーシャルセリング」が新たなチャネルとして注目されている。2020年12月、ロレアルが米国で2016年に創業したソーシャルセリングプラットフォーム企業 Replika に投資したことも報道された。美容ブランドのソーシャルセリング事例を紹介し、その可能性について探る。

「ソーシャルセリング」の定義とは?

まず、美容におけるソーシャルセリングとは、「『この人から買いたい』という『人』を通して広がる購買体験のこと」と定義したい。販売する「人」、つまり「ソーシャルセラー」は、ブランドのことを深く理解し、周囲の潜在顧客を啓発していくブランドアンバサダー的役割の販売代理人だ。

この言葉は、インターネット時代以前の「訪問販売」と同義とされ、とくに新しい手法ではない。1886年創業の大手ソーシャルセリング企業 エイボン・カンパニー(The Avon Company)や、1971年設立の日本企業 ノエビア(NOEVIR)のように、個人が販売代理人となる販売形態には歴史がある。しかし、インターネットとSNSの普及で、ブランドに詳しい「個人」が影響力、そして販売力をも持つということで再び脚光を浴びている。

ソーシャルセリングは、マルチレベルマーケティング(MLM)ビジネス(いわゆるマルチ商法)やネットワークビジネスにおいても、販売手法のひとつであるが、本記事では顧客兼販売代理人がピラミッド構造でつながるMLMのビジネス構造とは切り分け、MLMはソーシャルセリングと完全イコールではないという前提で話を進めたい。

Zやミレニアル世代の消費行動とマッチするソーシャルセリング手法

美容業界において、ソーシャルセリングが有効な販売チャネルとして注目される理由のひとつは、Z世代、ミレニアル世代を中心とした消費者の購買行動にマッチしていることだろう。

Glossier」「IT Cosmetics」「Kylie Cosmetics」などのD2Cブランドの急成長からもみてとれるように、現代の若い消費者は創業者の顔が見え、その理念が隅々に反映され、かつSNSでフォロワーと密にコミュニケーションをとるブランドを信用する。そのうえでオンラインで商品を購入することに抵抗がないのも特徴だ。また、購入判断には信頼する友人やインフルエンサーの意見を取り入れる傾向が強い。

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