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美容ブランドにおける「カーボンニュートラル」「カーボンネガティブ」9つの事例

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化粧品製造のサプライチェーンのなかで発生するCO2を差し引きゼロにする「カーボンニュートラル」を達成する企業やブランドが増加している。なかには、CO2排出よりも吸収量が多い「カーボンネガティブ」をうたう製品も現れている。ますます高まる環境配慮を求める消費者の声を受け、グローバル市場で活性化するサステナブルな取り組み事例9つを紹介する。

LVMHなど大手が牽引するカーボンニュートラル

LVMH Perfumes & Cosmeticsは2022年4月、世界有数のカーボンネガティブマテリアル企業の米Origin Materials(オリジン・マテリアルズ)複数年契約を締結した。

オリジン・マテリアルズは木材残さなどの安価で豊富な非食料バイオマスに含まれる炭素を回収しながら、サステナブルな材料に転換する技術プラットフォームを開発しており、同社のPET樹脂は石油由来のそれと同じ機能と品質を持ちながらリサイクルも可能で、かつCO2排出量を大幅に削減することができる。LVMHは、オリジン・マテリアルズとの提携を、LVMHの持続可能性目標を達成し、循環型経済を実現するうえで重要な鍵になると位置づけている。

こうした施策をはじめ、グローバル規模で脱炭素を目指す多くの美容企業が「カーボンニュートラル」に取組み始めている。

カーボンニュートラルとは、人為的な活動により大気中に排出されるCO2など温室効果ガスの量と、森林管理などによって吸収できる量を差し引き、合計として排出量をゼロにすることを意味する。つまり、化粧品などの製品の生産や加工、輸送など企業活動での排出量をできるだけ削減しながら、どうしても排出される温室効果ガスについては、排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資することで埋め合わせ(オフセット)て、実質的な排出量をプラスマイナスゼロ(ニュートラル)にする取り組みだ。

一例では、美容業界では年間1,200億個ものパッケージ(容器や包装)が製造されており、その多くが使い捨てやリサイクルできない素材で作られているとされる。そこで、環境への負荷を最小限に抑えるため、パッケージの素材選びから、工場での製品製造、輸送などサプライチェーンの各工程での温室効果ガス排出量を抑制し、それでも排出されてしまう分については、植林などで吸収してカーボンニュートラルを実現することが求められている。

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