パンデミックで増えた不安や不調の緩和を目指すヘルスケア&スリープテック【CES2022】
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CES2022のレポート第3弾は、自宅で個人ニーズにパーソナライズした心と体のケアができるヘルスケアテックに着目。パンデミックでより負担を強いられた女性の悩みをサポートするフェムテックや、睡眠の質の向上で不安を解消し総合的なウエルネスを導くスリープテックの最前線をみていく。
「コロナソムニア」「She-Cession」、メンタルヘルスの分野で高まる関心
パンデミックを機に、消費者の心身の健康に対する意識や関心の高まりは、一段と加速したが、2021年は、先のみえない生活への不安やストレス、「コロナソムニア」と呼ばれる感染症への心配に由来する不眠症など、精神的な辛さを抱える人々が増えた。とくに女性は、「She-Cession(シーセッション=女性のリセッション・景気後退)」という造語が生まれるほど、就労状況の悪化などにより経済的、精神的に大きな打撃を受けているケースが多い。また、世界的テニス選手の大坂なおみ氏や米国の体操選手シモーネ・バイルズ氏ら、女性アスリートがメンタルヘルス問題について自ら発信したこともあり、これまでタブー視されがちだった心のケアがスポットを浴びた年ともなった。
リモートワークも定着しつつあり、心身の不調や不安でメンタルヘルスが損なわれることのないよう、自宅でケアできるデジタルガジェットやサービスに注目が集まっている。CES2022においても、デジタルヘルスケアやスリープテックが活況を呈していた。
めまいや吐き気を緩和するウエアラブルReliefbandや新発想で骨盤底筋を鍛えるELITONE
Lean In(シェリル・サンドバーグ氏の同名書籍出版を受けて活動する団体) と マッキンゼー・アンド・カンパニーによる2021年度の「Women in the Workplace」レポートによれば、米国の女性の42%、男性の35%がパンデミックにより燃え尽き症候群(バーンアウト)を経験したという。2020年の女性32%、男性28%に比較すると、男女ともに上昇しているが、男女の上昇率の差は2倍を超え、これまで以上に女性が精神的に消耗していることがわかる。
一方、CES2022で開催された「Women’s Health and Tech: Revolutionizing and Reimagining Women’s Health Care」カンファレンスでモデレーターを務めた、パーソナルなアドバイスやコミュニティ運営を行うヘルステック企業 AdaRoseの創業CEO ライジア・リチャルディ(Lygeia Ricciardi)氏が述べたように、ヘルスケアニーズに対応したデジタルツールの利用率は、女性のほうが男性よりも75%~85%高いという。
妊娠中のサポートにも活用できる「Reliefband」は、手指や手首の屈曲をつかさどる正中神経を刺激することで、めまいや吐き気を緩和するウォッチタイプのウェアラブルデバイスだ。FDA認証済みで、つわりのほか、車酔い、船酔い、不安、二日酔いなどからおこる吐き気に効果があるという。手首の内側に専用のジェルを塗り、デバイスを取り付け、手のひらから中指にかけて心地よい刺激を感じるまでボタンを押す。気分が悪くなってから使うだけでなく、乗り物に乗る前など事前に使用すると予防効果があるため、ブーススタッフは通勤前に使用していたと話す。今後、メタバースが注目されるなかで、現状のVRヘッドセットによる酔いにも役立ちそうだ。
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