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CareOSやHiMirror、ホームユース・スマートミラー元年を導く【CES2020】

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CES2020レポートの3回目は、精度向上と多機能化で大きく進化をとげているスマートミラーを取り上げる。昨年センセーションを巻き起こしたCareOSのPoseidonはいよいよ市場への投入が発表され、家庭用スマートミラーの「一家に一台」が現実味を帯びてきた。

昨年のCESでも来場者の関心が高かったスマートミラー。今年も、ARバーチャルメイク分野でのリーディングブランドの1つである台湾のPerfect Corp.をはじめ、フランスBaracodaグループのCareOSや、フィンランドのRevieve、サムソンC-Labから発した韓国のlululab、同じく韓国のICON.AI、そして、台湾のHiMirrorなどが、それぞれの技術とアイディアを磨き上げた最新のスマートミラーを出展し、大きな盛り上がりを感じさせる。

ビューティ関連スマートミラー全体の傾向としては、3D解析など画像そのものの分析技術が進歩したのみならず、環境データや継続トラッキングを取り入れることで、AIによる分析機能がさらに精密になったのが大きな特徴だ。

それに伴いレコメンドやバーチャルトライアルがより最適化された。あわせて、ショッピング機能のシームレス化、SNSとの連動、顔や音声認識機能の活用、さらには、ミュージックストリーミングやほかのIoTデバイスとの連携といったファンクションなどが新たに加わり多機能化へと進化している。

図1

ヘルス&ウェルネス部門で革新賞を
受賞したLUMINI Home

スマートミラー関連製品がCES2020のさまざまな部門で受賞する例も目立った。CareOSのパーソナルケア技術を搭載したバスルーム用スマートミラー「Poseidon」がスマートホーム部門で、lululabのAIビューティ&ライフスタイルアシスタント「LUMINI Home」がヘルス&ウェルネス部門で、さらに、250を超えるビューティブランドが採用しているPerfect Corp.のプラットフォーム「YouCam」がソフトウェア&アプリ部門で、それぞれ革新賞(Innovation Award Honoree)を受賞。こういった状況からも美容分野にとどまらず、ライフスタイルに大きなインパクトを与えるサービスとして関心を集めていることがわかる。

スマートミラーが暮らしのハブとなる可能性

ではさっそく、CES2020で存在感を放っていたホームユースのスマートミラーの3アイテムを見ていこう。

いずれも、主にビューティの観点からピックアップしたが、今回のCES2020では、実に多くの企業がスマートミラーを展示していた。セキュリティや室内の温度・湿度・明るさなどの環境調整、節電・節水管理など、スマートミラーにいわばコントロールパネルのような役割を担わせており、スマートミラーがスマートホームのハブになるかもしれない未来が提示されていたのが印象的だった。

家族それぞれのニーズに対応するマルチスマートミラー

最も注目を浴びていたのが、「実用的なスマートミラーのベンチマークと呼べるプロダクト」との評判も高い、CareOSのバスルーム用スマートミラー「Poseidon」である。

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Poseidon
出典:CarOS公式サイト

顔認証によりユーザーである家族の一人ひとりを特定し個別のプロファイルデータを蓄積。肌診断に加え、体重の増減など日々の健康状態のチェックができるほか、エクササイズのチュートリアル動画や子供用の歯磨きゲームを表示したり、視力検査までできる。鏡としての機能も拡大鏡や360度のビュー表示が可能で、シャワーの温度を上げるなど、ほかのバスルームのデバイスと連動もさせられる。試着などバーチャルトライオンや天気予報の表示、音楽の再生などにも対応、もはや単なるミラーを超えた存在だ。

今年中盤の市場デビューを計画しており、数種類のサイズやフレームカラーが用意されるほか、細かなカスタマイズ・オプションもあり、一気にヒット商品になる可能性も大だ。

CarOSのスマートミラーは一昨年から大きな関心が寄せられており、昨年のCESでも展示ブースは大盛況だった。製品としての実用化が決定し、家庭に入り込む予感がする今、ますます熱い視線を集めることになった。

機能もデザインもまるでタブレット、持ち運べるミラー

2017年に世界初のボイス・インタラクティブなスマートミラーを発表したHiMirror からは、最新モデル「HiMirror Slide」が登場した。一番の特徴は折りたたみスタンド付きで、タブレットのようにどこへでも持ち運んで使えるコンパクトサイズを実現した点にある。

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HiMirror Slide
出典:HiMirror 公式サイト

ミラーをスライドさせてコマンド画面を引き出し、メイク用LEDライトの点灯や肌分析、チュートリアル動画の視聴などができるほか、ミュージックストリーミングやSNSのチェックに加え、その日のコンディションに合うスキンケアの提示や、化粧品の利用状況のトラッキング・使用期限の管理といった機能を備える。さらに、Googleアシスタントとアマゾンのアレクサを内蔵しており、その日の天気や予定、交通状況を尋ねたり、そろそろ無くなりそうな歯磨き粉など商品の注文もすべて音声で行える。HiMirror Slideは117ドルで米国での販売がスタートしている。

AIの分析技術と最適化の提案で高評価のビューティ特化型

精度の高い肌分析やトラッキング、的確なレコメンドでは、サムスン電子からスピンアウトしたAIベンチャーlululabが発表した、AIビューティ&ライフスタイルアシスタント・スマートミラー「LUMINI Home」が光っていた。lululabは、昨年に引き続き2年連続ヘルス&ウェルネス部門革新賞を受賞しており、その品質には定評がある。

図1

LUMINI Home
画像提供:lululab

「美容のエキスパートにとって代わるスキンケアアシスタント」を自称し、シミ、しわ、毛穴など6つのカテゴリーで肌コンディションを評価して、使用すべきスキンケア製品や美容機器など、ユーザーにパーソナライズした具体的なソリューションを提案する。

2020年は家庭でのスマートミラーの利用が本格スタートする元年になるかもしれない。そう思わせるほど、機能が充実した多彩な機器が登場。今後の動向から目が離せないのは確かだ。次回のCESレポートでは、引き続きスマートミラーをテーマに、バーチャルメイクなどリテールの現場での試みを紹介する。

<そのほかのCES2020レポートはこちら>
(1)P&Gやロレアルが明示、ハイパー・パーソナライゼーションの時代
(2)アモーレパシフィックが店頭での3Dプリントパーソナライズマスクを実現
(4)AR/AI搭載スマートミラーの多機能化で、境目のないユーザー体験
(5)サムスンやP&Gが競うビューティルーティンを変える最新デバイス

Text & photos: 東リカ(Rika Higashi)

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