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化粧品ロス課題を“ブランド価値”に転換へ、ドットシーが挑む専門ECサイト

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2024年3月にオープンした化粧品ECサイト「.C(ドットシー)」では、従来は処分せざるを得なかった旧パッケージや余剰在庫などを専門に取り扱い、アウトレット商品として販売している。化粧品ロスの課題に取り組むドットシー株式会社 代表取締役社長 渡部英恵氏にその展望を聞いた。


アウトレット販売でブランド価値も向上する仕組みをつくる

これまで、化粧品ロスを極力減らすために日本でもいくつかの取組みが行われている。アスクル株式会社の個人向けECサイトのロハコの「Go Ethical」や、花王公式通販「My Kao Mall OUTLET」などアウトレット商品を集めたECサイトや、全国のシングルマザーら経済的困難を抱える世帯に、化粧品メーカーが持つ余剰在庫のコスメを詰め合わせ、支援団体などを通じて無償提供する「コスメバンク プロジェクト」も協力企業を増やしている。

そのなかで、独立系のスタートアップであるドットシー株式会社が、余剰在庫や返品などで従来処分せざるを得なかった化粧品を専門に取り扱い、アウトレット価格で販売するECサイト「.C」をスタートした。

出典:.C

ドットシー株式会社 代表取締役社長の渡部英恵氏はその仕組みをこう説明する。

「.Cでは、処分せざるを得ない化粧品を企業から直接仕入れ、アウトレット品として定価よりリーズナブルに販売している。これまでは値引きすることでブランド価値が下がるのではないかとの懸念から、アウトレット品の販売に踏み込めない企業が多く見受けられた。しかし、廃棄を減らす努力をする企業は社会貢献をしていると訴求できるプラットフォームであれば、ブランドイメージを毀損せずにアウトレット品を販売できると考えた。近年は世界規模で、コスメのみならず、飲食やアパレルなどの各業界でもロスを減らそうとの動きが大きくなっている。こうした時代になったからこそ、ユーザーにもアウトレット販売は社会貢献活動だとポジティブに受け取ってもらえるだろう」(渡部氏)

ドットシー株式会社 代表取締役社長 渡部英恵氏
プロフィール/大学卒業後、化粧品専門商社に入社。5年後、化粧品メーカーに転職。その後、個人事業主として、化粧品メーカーの流通・営業・輸入のコンサルティング支援を行っていた。2023年8月にドットシーを設立し、代表取締役社長に就任

渡部氏は、.Cの起業前は、化粧品の専門商社や化粧品メーカーで輸入・流通関連、コンサルティングなどを手掛けてきた経験を持ち、化粧品ロスの問題は以前からずっと気になっていたという。「化粧品業界で働いてきたなかで、この問題には心を痛めてきた。日本国内で年間2万トン以上が処分されているという調査結果*もある。自分でその状況を変えるために何かができるのではないかと思い起業した」(渡部氏)。

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