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ブランドストーリーと手が届く価値。FaB NYで再定義されたポスト・ラグジュアリー

◆ English version: Luxury for everyone, the message from FaB New York meet-up
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美容とファッション業界の起業家と投資家のコミュニティ「FaB Fashion and BeautyTech」 のニューヨーク支部ミートアップが3月7日、開催された。2回目となる今回は、前回より多い130人余りが参加。「ラグジュアリーの再定義」と「D2C(Direct to Consumer)ブランド構築」をテーマにパネル討論が行われ、テクノロジーによって実現する「アクセシブル・ラグジュアリー(手の届く高級品や体験)」と、顧客を開拓し維持するための「ブランドストーリー」の重要性が語られた。

美容とファッション両業界の起業家を支援

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ニューヨーク市で2回目の開催となった
今回は、創業者や投資家など
130人強が参加した

FaB Fashion and BeautyTechはもともと美容業界に特化した世界初のコミュニティ「BeautyTechSF」として、2017年4月にサンフランシスコで発足した。現在はニューヨーク、ロサンゼルス、パリ、ロンドン、東京、ソウル、上海を含む世界12カ所に支部があり、起業家や投資家など1,500人以上が参加する。

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BeautyTechSF は昨年末、支援の対象をファッション業界にも拡大。発起人で投資家のオディール・ルジョル(Odile Roujol)氏はその理由を、「美容もファッション(ブランド)も必要とする人材は同じであり、ビジネスモデルもよく似ている。(起業家の)志がはっきりしていること、(事業展開や成長に)データ収集と活用が欠かせない点も両業界に共通する」と説明する。

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パネル討論でモデレーターを務めた
XRC Labsのカーリー-アン・ファーガス
(Carly-Ann Fergus)氏(左)
とルジョル氏

ルジョル氏は昨年11月、美容とファッション業界の起業家とスタートアップに投資し各種支援を提供する「Fab Co-Creation Studio」を立ち上げ、活動の場を広げた。

サブスクサービスで高級品を気軽に利用

「ラグジュアリー製品を手ごろな価格で提供する」

1つ目のパネル「ラグジュアリー再定義」に登壇したScentbird の共同創業者兼最高マーケティング責任者(CMO)のレイチェル・テン・ブリンク(Rachel ten Brink)氏は、「顧客へのラグジュアリー体験の提供」をどのようにディスラプト(破壊、変革)しているかを問われ、こう答えた。

Scentbirdは、香水のサブスクリプションサービスを提供する2014年創業のスタートアップだ。同社ウェブサイトで450種類以上揃う、ゲランやブルガリといったデザイナーズブランドとニッチブランドの中から好きな香水を指定すると、30日分のサプライ(8ml)とスプレー容器(初回のみ)が自宅に届く。料金は月14.95ドルで、これには送料も含まれる。

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