見出し画像

Tierlandのビューティ体験とSNS拡散特化で商品の認知拡大を目指す“売らない店舗戦略"

◆ 新着記事をお届けします。以下のリンクからご登録ください。
Facebookページメルマガ(隔週火曜日配信)
LINE:https://line.me/R/ti/p/%40sqf5598o

最新コスメや美容アイテムを手に取ってお試し体験したり、ネイルやメイク、パーソナルカラー診断などのサービスが無料で受けられる「Tierland(ティアランド)」は、“体験型美容テーマパーク”をうたい、「商品販売を目的としない」ショップというユニークな特徴を持つ。2023年6月に2号店としてオープンした「Tierland大宮アルシェ店」を訪問するとともに、同店を運営する株式会社トレンドキャスケットに、そのビジネスモデルの狙いや今後の展望を聞いた。


ショールーム機能×ビューティ体験×SNS拡散で商品認知を促進

埼玉・大宮駅前の商業施設「大宮アルシェ」4階にあるTierlandは、人目を引くカラフルなポップや工夫を凝らしたデコレーションで彩られた棚が並び、国内外のブランドのさまざまな化粧品やカラーコスメ、美容グッズがテスターとともに溢れんばかりに置かれている。一見すると、いわゆるバラエティショップと変わらないようにみえるが、Tierlandには他店とは一線を画す違いがある。それは「商品販売を主目的としていない」ことだ。

Tierlandに出展されている商品は、ブランドの自社ECやポップアップ以外ではここにしかないものも数多く、テストマーケティング段階の商品や、まだ市場に出回る予定が決まっていない未発売品も含まれる。実店舗などの顧客とのタッチポイントが少ないメーカーが認知拡大を図ったり、商品を市場に流通させる前の市場調査やニーズ調査に活用するなど、「ショールーム」として場を提供することで、大規模なマーケティングを行うほどの予算がない中小規模のメーカーのニーズにも応えている。

Tierland大宮アルシェ店

また、Tierlandのもう1つの特徴は、Z世代、α世代をメインターゲットに、アプリをダウンロードし、アプリ会員の特典であるネイルやメイクや肌診断などの各種無料体験を予約して来店することをユーザーに促して、店頭で商品を試したり、施術を体験した感想などをSNSで投稿してもらう仕組みをつくっている点だ。

ユーザーにはエンターテインメントとしての体験を楽しむ機会を提供し、出展ブランド側にはSNSでの拡散や自社ECへの送客につながるメリットがある。アプリ会員数は毎月1,000名以上増加しており、東京・原宿のTierland 1号店のオープンから約5カ月経った2023年4月には、来店者数は1万人を超え、会員数も6,000人を突破した。また、出展メーカーの調査ニーズを満たすために、アクティブユーザーを集めたグループインタビューやユーザーテスト、商品サンプル配布などのサービスも開始した。

出典:株式会社トレンドキャスケット プレスリリース

同時に、ユーザー体験サービスで使用する肌診断機やエステマシンを利用したユーザーの属性や肌データが、アプリやシステム、データベースに蓄積され、企業はフィードバックされたこれらのデータをマーケティングや商品開発に活用できるサイクルを構築している。

ここから先は

4,412字 / 6画像

このマガジンを購読すると、バックナンバー記事を制限なくご覧いただくことができます。

BeautyTech.jpは最新1カ月の記事は無料、それ以前の記事は全文閲覧が有料です。「バックナンバー読み放題プラン」をご利用ください。

このマガジンを購読すると、バックナンバー記事を制限なくご覧いただくことができます。

「バックナンバー読み放題プラン」の法人・企業様向けプランです。社内限定で転用・共有していただけます。