資生堂 社長 CEO魚谷氏、慶大先端生命科学研と10年先のイノベーションを見据える
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2022年6月、株式会社資生堂は慶應義塾大学先端生命科学研究所(以下、先端生命研)と、包括連携協定を締結した。創業150周年を迎える2022年、「PEOPLE FIRST(ピープルファースト)」の理念を掲げ、ヘルスケアイノベーションが生まれる環境づくりの一環として、多様な人々が「混ざりあっていく」大きな仕掛けを今回もつくりだしたといえる。その背景を同社 代表取締役 社長 CEO 魚谷雅彦氏に聞いた。
包括連携協定を通して、R&D組織における新たな文化醸成を目指す
今回の包括連携協定は、イノベーションをリードできる中長期視点での人財育成、先端技術の活用や社会実装推進のほか、地域社会の活性化などを目的としている。この提携にいたった発端は、魚谷氏が休日に偶然、BS番組に出演していた慶應義塾大学先端生命科学研究所 所長 冨田勝氏が掲げる「普通(であること)は0点」という研究所のスローガンなどについて熱く語っているのを観て、「ぜひお会いしたい」とオファーしたところから始まったという。
その後、2021年11月には、冨田氏とアドバイザリー契約を締結。横浜・みなとみらいにある資生堂グローバルイノベーションセンター(以下、GIC)内に、冨田氏が直接指導を行う「GIC 冨田研究室」を設置し、R&D組織改革を進めるなかで、今回の包括連携協定に至った。
魚谷氏は、協定の目的は大きく2つあると語る。
「資生堂の企業使命である『BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)』という観点から、肌科学に関する知見をもつ資生堂とメタボローム解析に特化した先端生命研とで、なにか共同研究できるのではないかと考えている。つまり、さまざまなテーマで研究を一緒に進めることで、5年、10年先にでも新しい何かが生まれることを期待するものだ。
そして2つめは、人財の育成だ。資生堂は『PEOPLE FIRST(ピープルファースト)』の理念で人財資源への投資・育成にも力を入れており、社員がイキイキわくわくするような仕事をすることで新しいものが生まれ、企業の成長にも繋がる。人的資本への投資が企業価値を高めると考えている」(魚谷氏)
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