見出し画像

中国「完美日記」のYatsen HD 黄錦峰CEOが語るテクノロジーによる差別化戦略

◆ 新着記事をお届けします。以下のリンクからご登録ください。
Facebookページメルマガ(隔週火曜日配信)
LINE:https://line.me/R/ti/p/%40sqf5598o

2020年、米ニューヨーク証券取引所(NYSE)への上場を果たした「完美日記(パーフェクトダイアリー)」を運営する中国 逸仙電商(Yatsen Holding, NYSE: YSG)。データを重視し「テクノロジーとイノベーション、若い力を信じている」という同社創業者で、取締役会会長兼CEO 黄錦峰氏に、データドリブンな経営手法や今後の戦略について話を聞いた。

P&Gや中国新興ブランドを経て逸仙電商を創業

逸仙電商(Yatsen Holding, NYSE: YSG)創業者 取締役会会長兼CEO 黄錦峰(David Huang)氏
プロフィール/ハーバードビジネススクールでMBA、中山大学学士号を取得。2007年から2010年までP&Gで市場調査マネージャーを務める。2011年から2016年まで御泥坊の副社長を務めたのちに、2016年に逸仙電商を創業。現在、Perfect Diary(完美日記)、Little Ondine、Abby's Choice、Galénic、DR.WU(中国本土業務)、Eve Lom、Pink Bear、EANTiMなど、高い成長をみせるメイクアップやスキンケアブランドを多数保有

ーーどのようなキャリアパスを経て創業に至ったのか

美容業界にはもともと、興味があった。人をより美しくきれいに、よりファッショナブルに、より幸せにし、自信をもたらす産業だからだ。2007年から3年間、P&Gに在籍したのがそのスタートで、その後は米国に留学した。帰国後は当時中国の新興化粧品ブランドであった「御泥坊(UNIFON)」に携わり、2016年に逸仙電商を設立し、2017年に「完美日記」というブランドを立ち上げた。2023年の今年でトータル16年間この業界に関わっていることになる。

P&Gでは、OLAYSK-IIを担当し、そこで消費者を中心に考え商品を開発すること、また、消費者にブランドを好きになってもらうには、どのようにマーケティング戦略を展開するべきかを学んだ。

御泥坊は、当時の新興ブランドのあり方にのっとり、オンラインが主要チャネルの会社だった。私が在籍していた2011年から16年までの5年間は、アリババJD.com唯品会などのECプラットフォームが急成長した時期でもあり、そうしたECプラットフォームを利用して、いかに効率よく商品を消費者に届けるかを身をもって経験してきた。

その後、2016年に逸仙電商を創業してからは、完美日記のマーケティングとしてSNSの重要性を認識した。SNSが流行りはじめてそれほど経っていない頃だったが、我々のSNS活用は業界では先進的だったのではないかと思う。

完美日記のアイシャドウパレット

モチベーションの分析からブランドや製品を開発

ここから先は

3,840字 / 5画像

このマガジンを購読すると、バックナンバー記事を制限なくご覧いただくことができます。

BeautyTech.jpは最新1カ月の記事は無料、それ以前の記事は全文閲覧が有料です。「バックナンバー読み放題プラン」をご利用ください。

このマガジンを購読すると、バックナンバー記事を制限なくご覧いただくことができます。

「バックナンバー読み放題プラン」の法人・企業様向けプランです。社内限定で転用・共有していただけます。