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「ハルメク」が分析するシニア世代の多様化、"おしゃれ意識"は年齢が進むほど高くなる事実

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今後、マーケットとして増え続けるシニア世代へのマーケティングは、若い世代のそれと比較するとまだまだ未開拓な部分が大きい。美容業界でも今後シニア市場とどう向き合っていくのか。シニア世代からの支持が高い女性誌『ハルメク』を発行する株式会社ハルメクホールディングスは、シンクタンクも持ち、細かな分析を行っている。 同社 代表取締役社長 宮澤孝夫氏と、生きかた上手研究所所長 梅津順江氏に、同社が描くシニア向けメディアとビジネスについて話を聞いた。


出版・Web・通販のチャネルでシニア世代の支持が厚いハルメクグループ

ハルメクグループは、雑誌などの出版事業だけではなく、Web事業と通販事業を通じて、シニア向けの商品を販売し、旅行、イベント、講座などの文化事業をはじめ、シニアマーケティングをサポートするハルメク・エイジマーケティングなどを多角的に展開する。2023年3月期におけるハルメクホールディングスの売上高は287億円、営業利益20億3,000万円で、2023年3月23日には東証グロース市場に上場した。“シニアマーケティングといえばハルメク”と呼ばれるほどの存在感を示している。

ハルメクがデータ収集、分析を続ける対象は、50代以上の消費者だ。多くの企業が60歳以上をシニア世代とひとくくりにする一方で、50歳~100歳+までの幅広い女性消費者を年代別、価値観別に細かく分析している。

ハルメクの母体は、1989年に編集プロダクションとして創業したユーリーグ株式会社だ。1996年3月に雑誌『いきいき』が創刊されたが、ユーリーグ株式会社の民事再生などがあり、2009年に全事業をいきいき株式会社に譲渡し、現社長である宮澤孝夫氏が代表取締役に就任して経営再建を進め、2012年にノーリツ鋼機グループの傘下に入っている。その後、いきいき株式会社は、株式会社ハルメクへ社名変更して通販などを傘下に持つホールディング体制へ移行した。2020年、ハルメクホールディングスは、宮澤代表取締役を筆頭株主として、経営陣によってMBO(マネジメント・バイアウト)を実施し、2023年3月に東証グロース市場に上場を果たしている。

「50代からの女性がより良く生きることを応援する」を使命に掲げ、「日本のNo.1シニアカンパニー」ブランドを目指している同社では、50代以降の女性のニーズや願望を解き明かすために、「ハルトモ」と呼ばれる4,300人規模のモニター組織を構築し、毎月座談会やアンケートを実施するだけでなく、読者からの毎月2,000通以上のハガキすべてに目を通し、定性的・定量的なデータをもとに、徹底的な調査を行っているという。また、雑誌を入り口に、通販、イベント、ヘルスチェックサービスなど、シニア女性の生活に寄り添うビジネス展開をすることで、売上の拡大も実現している。

出典:株式会社ハルメクホールディングスプレスリリース

女性雑誌各紙が発行部数の低迷に悩むなか、コミック誌を除く全月刊誌で販売部数No.1※のポジションを獲得し、月刊情報雑誌『ハルメク』は2022年12月号(11月発売号)の定期購読者数が50万人を超えた
※日本ABC協会発行社レポート(2022年1月~6月、7月〜12月)

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