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ORBISなどパーソナルカラー診断導入の5ブランドに聞く、その概要と効果

日本のユーザーに人気の高い「パーソナルカラー診断」。スマホで受けられる手軽さは、新型コロナウイルス感染症対策で外出自粛中のなかで、カラーアイテムの販促としての役割にも期待が集まる。AIを活用した診断サービスを展開するオルビス、ヴィセ、マキアージュと、原点の対面カウンセリングのノウハウを持つエチュード、パーソナルカラー別のメイクアップアイテムを展開するFAVES BEAUTYの5ブランドのサービスについて開発の背景や効果などを聞いた。

カラーリストの経験的な感覚を再現するAI診断
オルビス ORBISアプリ

オルビスの「ORBISアプリ」内のコンテンツ「パーソナルAIメイクアドバイザー」は、フューチャーアーキテクトの協力のもと、カラーリストとの対面によるパーソナルカラー診断の結果と一致する精度を約90%にまで高めたAIによるパーソナルカラー診断だ。判定に関わるポイントや理論だけでなく、カラーリストが判定する際の人間的な感覚などもAIに学習させているという。

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ORBISアプリ

オルビス によると、2019年4月の公開から半年で、アプリのダウンロード数は200万以上、パーソナルカラー診断実施回数は100万回以上になった。累計のUU(ユニークユーザー)数は約30万人で、そのうち半数にあたる約15万人がパーソナルカラー診断を機に新規会員になったという。

診断では、ユーザーの真顔と笑顔の2種類の顔写真から、「パーソナルカラー」(4タイプ)と「フェイスプロポーション」(16タイプ)を掛け合わせた64パターンのうち、各自に最も近いものをAIが選出する。さらに、「なりたいイメージ」や「メイクの目的」など、アンケート式のカウンセリングで得られたユーザー情報をもとに、おすすめのメイクアップ方法や、似合うヘアカラー、アクセサリーの形状などを提案。診断結果からそれぞれの条件に合った製品が購入できるECへの動線も引かれている。

 オルビス5

4タイプのパーソナルカラーとともに
16タイプの顔立ちも診断
(ORBISアプリ
「パーソナルAIメイクアドバイザー」より)

カウンセリングの質問項目は、対面でカラーリストが行う質問がベースになっており、「いつも同じような色を買ってしまう」「普段とイメージを変えてみたい」「手元の使いにくいアイテムや捨て色を活用したい」といったユーザーの具体的な悩みや希望も、おすすめされる製品やメイクアップ方法などに反映される。

またオルビスでは、「ORBISアプリ」でAIパーソナルカラー診断を受けた顧客が店頭を訪れた際に、パーソナルカラー理論などの、店舗スタッフでは対応が難しい範囲の質問・相談をすることがあるとして、その顧客対応を今後の課題としている。


個人が持つシーズンカラーのパーセンテージも表示
コーセー ヴィセ

コーセーは、2019年1月、ベージュカラーで構成されたアイシャドウパレット「ヴィセリシェ マイヌーディ アイズ」シリーズを発売する際に、AIによるパーソナルカラー診断「パソカラ」をヴィセのスマートフォン版ブランドサイトに導入した。正面から撮影した顔写真1枚から判定し、春、夏、秋、冬のカラータイプのどれに該当するのかを表示する。あわせて、ユーザーが持つその他のシーズンの要素も、たとえば、春60%、秋20%、夏15%、冬5%、というようにパーセンテージで示し、幅広いシーズンカラーの取り入れを検討しやすい仕組みにしているのが特徴だ。

パソカラ3

パソカラ
(ヴィセのスマートフォン版
ブランドサイトより)

サービス開始から2020年2月末までの診断トップページへの訪問者数は延べ約300万人、診断実施回数は約180万回。診断からECへの流入数は非公開としているが、「マイヌーディ アイズ」の発売開始から2ヶ月の売上推移が、2013年の「ヴィセ リシェ」ローンチ以来、同ブランドのアイカラーカテゴリーとして最高を記録したことから、コーセーではパソカラ導入の効果はかなり大きいと捉えている。

パソカラは、デジタルガレージStyle Worksと共同開発したWeb API型のAIパーソナルカラー診断「irofit」を組み込み構築された。irofitは2018年4月に開発をスタートし同年11月に公開。デジタルガレージによると、Style Worksが作成した教師データをAIに学習させる方法を試行錯誤した際に、まず、プロのカラーリストが目視でどのようにカラータイプの判定を行っているかという部分を入念に把握したうえで、人間の目視による診断を忠実に再現できるようにすることに時間をかけたという。

また、コーセーは、訪韓中国人をターゲットにした簡体字のパソカラを4月から韓国の免税店内に導入した。デジタルガレージは、組み込まれているAIに関し「精度改善の余地はあるが、アジアのみならず世界中の人のパーソナルカラー診断はすでに可能」としており、グローバルなサービス展開もあり得ると示唆している。

瞳の色から一人ひとりに合ったブラウンアイシャドウを提案
資生堂 マキアージュ

2017年、国内化粧品大手のなかでいち早く、AIによるカラー解析をWebコンテンツとして導入したのが資生堂である。同社によると、日本のアイシャドウ市場は7割以上をブラウン・ベージュ系が占めるが、ブラウン系アイシャドウユーザーの約半数が、当時自分に合ったブラウンシャドウを選べておらず、使っているカラーに満足していないことが調査でわかったという。

そこで、瞳の色の明るさを5段階に分類し、それぞれに最適な色味のアイシャドウを「ドラマティックスタイリングアイズ」シリーズとして発売。同時に、ユーザーが自分の瞳の色タイプを知るツールとして、AIによるカラー解析をマキアージュのブランドサイトで公開した。

運命のブラウンアナライザー3

運命のブラウンアナライザー
(マキアージュのスマートフォン版
ブランドサイトより)

現在では「運命のブラウンアナライザー」という名称となり、マキアージュのサイトのスマートフォン専用コンテンツとして運用されている。正面から撮影したユーザーの顔写真1枚から瞳の色を解析し、それをもとに最適なブラウンアイシャドウを提案するものだ。

■AIによるパーソナルカラー診断サービス3ブランド比較

AIによるパーソナルカラー診断を導入している企業


対面式の手厚いカウンセリング型診断に特化
アモーレパシフィック エチュード

AIパーソナルカラー診断は、カラーリストの対面診断に引けを取らないレベルになってきた一方、対面式の診断サービスを他ブランドとの差別化ポイントとしているブランドもある。アモーレパシフィック傘下のエチュードだ。

エチュードは、対面式のパーソナルカラー診断「パーソナルカラーサービス」を、本国韓国で2017年に開始。日本では原宿本店など一部店舗で無料サービスとして実施していたが、2019年5月から、1回45分2,000円(税別)の有料サービスとして本格的に提供を始めた。現在、国内40店舗のうち28店舗で展開(新型コロナウイルス感染症対策のため、4月21日現在サービスを休止中)する。同時に、店舗やEC上での商品の陳列も「WARM」「NEUTRAL」「COOL」に分類し、自分のパーソナルカラーを把握している顧客が、自分に合ったアイテムを選びやすいように変更した。

診断はカラーリストとのマンツーマンで行われる。カラーファインダー(スマホ型肌測定器)を肌に当てて肌色を測定する機械診断と、紙製のリップチャートとカラードレープを使った目視診断により、8つのカラータイプのなかから、最も似合うベストカラーと避けたいワーストカラーをそれぞれ1つ割り出す。診断をもとに、各自にふさわしい色の取り入れ方をアドバイスするのに加えて、好みのメイクをヒヤリングしながら、エチュードのアイテムを使ってフルメイクサービスを行う。

ユーザーが試してみたいアイテムが似合わない色味と診断されても、上手な使い方を教示できるところなどは、やはり生身の人間ならではの対応力だ。最後にメイクに使用したアイテムをリストアップした「カウンセリングシート」が渡される。

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カラーファインダー(撮影:編集部)

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エチュードのパーソナルカラーサービスで
もらえるカウンセリングシート
(撮影:編集部)

パーソナルカラーサービスは有料で、「エチュードメンバーシップアプリ」からのみ予約可能ながら、毎月25日に翌月の予約受付が開始になるとすぐに、10代後半〜20代女性を中心に予約が埋まっていき、診断後はほとんどの顧客がリップやアイカラーなどアイテムを購入するという。フルメイクに必要な自分に合ったアイテムが一覧で示され、診断を受けると10%OFFになることもあり、新社会人など本格的にメイクを始める層の「大人買い」もある。

エチュードでは店舗に行けない、近くに店舗がないユーザーに対しても、いくつかの質問に答えることでパーソナルカラーを自己診断できるページをEC上に備えるなど、パーソナルカラーのコンテンツを充実させている。

また、エチュードの韓国・明洞店には、診断されたパーソナルカラーにあったリップ、チーク、アイシャドウを所要時間30分ほどでその場でカスタムブレンドするメニューもある。薬機法のため日本では実現が難しいサービスだが、「診断を受けに来店する顧客のなかには、8つのカラータイプのうち1つに明確に分類できない、ニュートラルタイプの人も多く、診断の難しさがある」(エチュード)といい、タイプの細分化やそれに応じたサービスの深化に対する需要は高そうだ。


パーソナルカラー別コスメアイテムを独自開発
パペルック
 FAVES BEAUTY

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FAVES BEAUTY

パーソナルカラー別メイクアップアイテムを開発するD2Cブランドも登場した。2019年12月にローンチした「FAVES BEAUTY (フェイブス ビューティー)」は、コスメメディアFAVORのプライベートブランドだ。4つのシーズンカラーごとにアイシャドウ、チーク、リップのセットをラインナップする。同メディアではパーソナルカラーに関する記事が一番人気であることから、自分のパーソナルカラーを知った人が迷わず似合うアイテムを購入できるよう、パーソナルカラーを切り口にするコンセプトの着想を得た。

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FAVES BEAUTYのセルフチェック式
パーソナルカラー診断。
PC、スマートフォン
どちらからでも診断可能

Webサイト上の診断アルゴリズムは、サイトオープン1ヶ月前に運営会社パペルック株式会社の小澤一郎代表取締役社長自らが考案し、社内で3週間練り上げるというタイトスケジュールで開発。診断はAIではなくセルフチェック方式で、ユーザーが自分の画像に乗せられた診断用の色味を客観的にみて、「似合う」「似合わない」を判断して自身のパーソナルカラーを導き出す仕組みになっている。公開1ヶ月で約20万回の診断が行われた。

FAVES BEAUTYは今後、海外展開を視野に入れ、多言語化などWebサイトのさらなる拡充を図っていくとしている。

Text: 大塚 愛(Megumi Otsuka)
Top image: Lucky Team Studio via Shutterstock

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