資生堂、次世代の肌測定「Beauty Alive Circulation Check」をグローバル展開へ
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資生堂、次世代の肌測定「Beauty Alive Circulation Check」をグローバル展開へ

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世界88の国と地域で展開しているグローバルプレステージブランド「SHISEIDO」が、非接触で肌内部の”美のめぐり”を測定するツール「Beauty Alive Circulation Check」を開発し、国内、そしてグローバル展開すると発表した。これまでの肌測定とは違い、肌内部の「血流」にも着目した測定ツールだ。その背景には長年の資生堂の血管研究が生かされている。その詳細について、株式会社資生堂 SHISEIDOブランドユニット グローバルトレーニング マネージャー 坂 はる奈氏に聞いた。

30年にわたる研究で、血流に着目した非接触の肌測定ツール

Beauty Alive Circulation Checkは、プレステージブランドSHISEIDOが独自に開発した肌測定ツールで、血流と関連のある皮膚温度から可視化される“美のめぐり”と、SHISEIDOが理想とする“生命感あふれるつややかな肌”に重要な3つの指標を用いて肌状態を測定する。国内約50店舗のほか、「SHISEIDO GLOBAL FLAGSHIP STORE」でも提供を開始し、2021年7月1日からは順次グローバルでも展開していくという。

なぜ「血流」なのか。実は資生堂は、30年以上に渡って、ハーバード医科大学付属皮膚科学研究所とマサチューセッツ総合病院が設立した皮膚科学研究所「CBRC(Cutaneous Biology Research Center)」と共同研究に取り組んでおり、2020年11月には、2001年から始めたこれまでの血管研究の成果をまとめ、血管の構造を丈夫にして恒常的に血流を促進することで、肌本来の強さと美しさを引き出す「Lifeblood Research(TM)」に向けて本格的に動き出した

Lifeblood Research™ Lab - SHISEIDO - 資生堂 - lifeblood-research.shiseido.com

2020年11月にはLifeblood Research(TM)
に関する情報を発信するサイトもオープン
出典:Lifeblood Research(TM) Lab 公式サイト

この考え方に基づくコンセプトのもと、2021年7月にリニューアルしたSHISEIDOアルティミューンの美容液には、血流を促進する効果が期待でき、生命感あるつややかな肌へ導く独自の技術で、ハートリーフエキス・発酵ハイビスカスエキス・レイシエキス・アイリスエキスなどの成分が配合されている。

Beauty Alive Circulation Checkの開発プロジェクトチームのメンバーである坂氏は、「店頭カウンセリングにおける新たな顧客体験として、アルティミューンのコンセプトにヒントを得て、肌の血流状態を可視化したいと考えた。行き着いたのが皮膚の表面温度から導き出す手法だった。これを我々は”美のめぐり”と名づけている」と語る。2020年初頭から開発をスタートしたが、その後、COVID-19感染拡大とともに非接触ニーズが高まったため、当初計画していたものを加速させて約1年半という異例の速さでサービス化を実現させた。

2台のカメラの測定値を使って”美のめぐり”を可視化

Beauty Alive Circulation Checkの肌測定で使用するのは、スマートミラーに皮膚の表面温度を測定するサーモカメラが取り付けられた専用機器だ。スマートミラーは、米シリコンバレーと香港に本社があるactiMirrorを、肌解析ソフトは、さまざまな観点からの肌解析に定評のある北欧のスタートアップ企業を採用している。ビューティコンサルタント(BC)が、顧客の肌に触れることなく、メイクをしたままでも測定できるのが特徴だ。

Beauty Alive Circulation Checkは、以下の流れで行う。まず、気になる肌悩みや冷え性かどうかなど、全身の血流状態に関する質問などを含む問診に回答したあと、スマートミラー本体のカメラとサーモカメラで、同時に顔を撮影する。

皮膚表面温度や肌測定結果に基づき、資生堂独自のアルゴリズムで「透明感あふれるかがやき」「なめらかさ」「ハリ・弾力」の3要素のスコアを算出し、「アルティメートトライアングルスコア」を導き出す。同時に、皮膚表面温度は、顔画像上にメッシュ状にプロットされ、“美のめぐり”の状態が可視化される。ここでは温度の高低ではなく色ムラをみることで、"めぐり”の状態を推測する。

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顔の上にメッシュ状にプロットされた
“美のめぐり”
撮影:筆者

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アルティメートトライアングル スコアと
提案商品
撮影:筆者

トータルスコアが出ると、その結果に基づいて、SHISEIDOの製品を組み合わせたスキンケアアドバイスが表示される。2021年7月時点で1,100通り以上のアイテムの組み合わせがあり、今後も増えていく可能性があるという。同時に店頭のBCからは、理想的な肌状態へ導くための製品の効果的な使い方やツボ押しなどが紹介される。また、測定結果画面上に表示されるスライドバーを左右に動かすことで、ケアを続けると肌がどのように変化するかのシミュレーション結果を実際に自分の顔の変化で確認できる機能(下の画像)も実装されている。

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現在と理想の肌状態をスライドバーを
動かしながら確認できる
撮影:筆者

最後に表示されるQRコードをスマートフォンで読み取ると、顔写真以外の測定結果をEメールで送信したり、SHISEIDOメンバーであればマイページに保存することができる。その場で購入しなくても、帰宅後じっくり検討して、SHISEIDO公式オンラインストアやwatashi+から製品を購入できる導線も組み込まれている。Beauty Alive Circulation Checkを体験したユーザーからは、「久しぶりに肌測定できることがうれしい」「非接触でメイクを落とさず、簡単に測定でき、結果が視覚的でわかりやすい」といった反応が得られているという。

ActiMirrorと肌解析ソフトのスタートアップ企業については、同等の肌測定サービス開発の実績があるかどうか、時代とともに変化する顧客のニーズに合わせてスピーディにカスタマイズ・開発ができるか、という点を重視して決めた。とくに、肌解析ソフトにおいては、採用企業のもつ解析結果と、これまで資生堂が研究して得た膨大な肌データから導き出す解析データの傾向が合致しているかどうかを比較し、資生堂の研究員が丁寧に検証を行った。

ニーズが高まるホリスティックビューティに向けた動きを考慮

坂氏は、“美のめぐり”という肌内部に着目した背景について、コロナ禍での人々の美の意識や生活習慣の大きな変化があるという。「人々の中に、『明日、健康であるかどうかの不安』という意識が生まれ、自分自身と向き合う時間や、健康である自分を慈しむ時間が増えた。そして、美しさは肌だけではなく、心身が健康であって初めて美しいという考え方が時代とともに強まっている」(坂氏)。

資生堂は、企業として2026年までにホリスティックビューティカンパニーに生まれ変わると宣言しており、Beauty Alive Circulation Checkは、それに先駆けたアイテムのひとつになると考えているという。

現在、Beauty Alive Circulation Checkは16言語に対応しており、2021年7月以降、北米、アジアを筆頭に20の国と地域で展開していく。今後は、肌測定結果をデータとして蓄積していくことで、より最適なアドバイスができるように進化させていく。

ポストコロナに向けて手綱を緩めない資生堂のDX戦略

SHISEIDOは、2020年7月に最新のテクノロジーを導入したSHISEIDO初のブランド旗艦店「SHISEIDO GLOBAL FLAGSHIP STORE」を銀座にオープン。また同年には、資生堂ジャパン初のCDOとしてスギモト トシロウ氏が就任し、DXに向けた施策を矢継ぎ早に進めている。

SHISEIDO GLOBAL FLAGSHIP STOREは、SHISEIDOが展開する路面店としては世界最大規模の店舗面積で、非接触型で実施する美容カウンセリング、商品を自動で試せるオートテスターなど、最新のテクノロジーとヒューマンタッチを融合させ、顧客が不安なく美を体験したり、商品を購入したりできる環境やコンテンツを取り揃えている。


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商品をかざすと商品情報が確認でき、
ARメイクで仕上がりを確認できる
出典:SHISEIDO GLOBAL FLAGSHIP STORE 公式サイト

スクリーンショット 2021-08-18 10.56.02

撮影した写真から肌にあった色を
測定し自動で試せるテスター
出典:SHISEIDO GLOBAL FLAGSHIP STORE 公式サイト

そして銀座店に続き、2021年7月には、SHISEIDOブランドの単独店舗として「SHISEIDO HANEDA BOUTIQUE」を羽田空港第3ターミナル国際線出発エリア内にオープンした。ここでも、Beauty Alive Circulation Checkを提供しているほか、同エリアにはアネッサ初の自動販売機を設置するなど、不確実性の高い現状を見据えて非接触のトラベルリテール強化も着々と進めている。

Text: 小野 梨奈(Lina Ono)
Top image: 資生堂


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