ロート製薬、「根羽清ココロ」と仕掛けるメタバース空間でのコミュニケーションと購買体験
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株式会社HIKKYが主催するVR空間で開催される大規模イベント「バーチャルマーケット」。2018年8月に初開催されたのち、年2回のペースで開催が定着し、その常連企業のひとつが、2022年から4回にわたって出展を重ねるロート製薬だ。同社のデジタル施策を牽引するチームの担当者に、取り組みの目的や得られた成果、出展を重ねるなかで見えてきたバーチャル空間でのコミュニケーションについて聞いた。
「従来の広告で接点の薄かった層」への訴求に手応え
ロート製薬がバーチャルマーケットへ初出展したのは2022年夏のことだ。最初の2回は現在のような単独の建物を用意せず、「会場内の路上に設置した目薬の3Dモデルを水鉄砲で撃って遊ぶ」といった、比較的シンプルな内容だった。まずは、メタバースとはどういうものか様子をみてみようとの側面もあり、目を酷使するVRユーザーに向けたアイケア商品の紹介を目的に考えていたが、実際に出展して感じたのが「従来のテレビCMやSNSでは接点の少なかった層への訴求効果」だったという。ロート製薬でデジタル施策などを手がける ロート製薬株式会社 マーケティング&コミュニケーション部 デジタルコミュニケーショングループ マネージャー 川名麻奈氏は、「正確なデータを取得しているわけではないものの、SNSでの反応を見ていると来場者は比較的若年層の男性が多い印象を受けた」と話す。
バーチャルマーケットが、これまで同社の情報に接する機会が少なかった潜在層に商品や企業そのものを知ってもらう機会になるとの手応えを感じ、3回目となる2023年夏は「スキンケアにあまりなじみのない人が製品を手に取るきっかけを作る」ことを出展の狙いに定めた。独自の建物を作り、本格的なギミックを取り入れたより深い体験ができるようにしたのもこの回からだ。
このときに提供した「Get Ready With Me」は、起床してから出かけるまでの身支度をアバターで体験しながら、同社のスキンケアブランド「肌ラボ」シリーズを使ったスキンケアの正しいステップや役割を学べる内容だ。参加者が自身のアバターで体験する様子を動画に収めてSNSに投稿するなど、ネットでの拡散効果も高かったとする。
リップクリーム作り体験と物販でオン/オフをつなぐ
2023年12月2日から17日まで開催された「バーチャルマーケット2023 Winter 」への出展では、リップクリーム利用の習慣化をうながすことを目的に、「リップクリーム作り体験」を提供。これは、子ども向けの職業体験施設「キッザニア」で同社が提供しているハンドクリーム開発のプログラムに着想を得たものだという。
ロート製薬の「社員」で同社の公式YouTuberでもある「根羽清ココロ」のガイドに従ってバーチャル店舗内のテーブルを移動しながら、材料を混ぜ合わせて溶かしたものを型に流し、冷やし固める行程をアバターで体験する内容で、リアル世界の作業をバーチャルで再現するだけにとどまらず、「バーチャルでしかできない体験」を作ることにも注力している。
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