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パルコの全編生成AIによるキャンペーンや55周年ロゴにみるデジタルクリエイティブとの向き合い方

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その全編に生成AIを活用したキャンペーンで話題となったパルコ「HAPPY HOLIDAYSキャンペーン」。画像、ムービー、音楽、ナレーションと全編にわたって生成AIを活用した意欲的な試みだ。また2024年3月4日には、クリエイティブスタジオ「DIGRAPH」がデジタルクリエイティブを手がけた55周年の記念ロゴを公開した。気鋭のクリエイターと時代を象徴する広告を手掛けてきた同社は、生成AIをはじめとするデジタルクリエイティブとどう向き合ったのか、その背景を同社 宣伝部 担当部長 草刈洋氏に聞いた。


カンヌライオンズ2023年受賞作の5%が活用、広告クリエイティブにおける生成AI

大小さまざまな球体の飾りに赤やピンクの花々。陶磁器のような肌と真っ赤な口紅の女性が強い視線でこちらを見つめている。どこか神秘的な印象も感じさせるこの広告は、2023年10月、パルコがクリスマス商戦向けに展開したキャンペーンの広告だ。実在の外国人モデルを撮影したようにも見えるが、女性モデルは生成AIが生んだ架空の存在であり、背景などのグラフィックも全て生成AIが生み出したものだ。同時に制作されたムービーも、ナレーションやBGMをはじめ、全編にわたって生成AIによって制作されている。

2023 PARCO HAPPY HOLIDAYSキャンペーン

Stable DiffusionやMidjourneyをはじめとする数多くの画像生成AIツールの台頭とともに、広告やプロモーション領域の生成AI活用は目覚ましい進展をみせている。世界的な広告フェスティバルであるカンヌライオンズの2023年受賞作のなかで、生成AIを活用した作品は5%に及んだとの報告もある。

代表的な画像生成AIとして知られるMidjourneyのオープンベータ版の公開が2022年7月、Stable Diffusionの初期ローンチは同8月、そして対話型AIのChatGPTが同11月と、2022年は生成AIの認知が大きく広まった1年だった。それからわずか10カ月弱(カンヌライオンズ2023年のエントリー締切は同4月)で、生成AIを活用した受賞作が5%に達したのは決して小さい数字ではないとして、カンヌライオンズ公式レポートでは「2024年以降、さらに生成AIを活用した作品が増える」との見通しを示している。

国内でも広告プロモーションに生成AIを活用する企業が相次いでいる。たとえば、住宅情報や介護ビジネス等を手掛ける株式会社LIFULLによる生成AIを活用し1万種類のフワちゃん画像を制作したSNSキャンペーンや、伊藤園のAIタレントを起用したテレビCM、最近ではコスメブランドでも生成AIを活用する動きが出てきているようだ。

AIデジタルクリエイターとの出会いで実現した「HAPPY HOLIDAYSキャンペーン」

今のところは広告制作や企画の要素の一部に生成AIを活用する方法が主流であるなかで、パルコのHAPPY HOLIDAYSキャンペーンは生成AIでほぼ全ての制作を行っているのが特筆すべき点だ。日本ではほとんど前例のない取り組みを実現できたのはなぜなのか。

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