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仏コスメティック360。その革新性は、化粧品の未来を見すえた戦略づくりにある

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前回は世界最大級の化粧品産業クラスター「コスメティックバレー」について紹介した。今回はこの組織が化粧品業界、主に中小企業の発展のために行なっている施策である国際化粧品見本市「コスメティック360」について紹介する。化粧品輸出額ランキング第1位のフランスが、さらなる成長のために産学連携でスタートした見本市とは?

※8/11に タイトルの一部を変更しました。

コスメティック 360は、2015年に始まった化粧品に特化した国際見本市。世界各国の革新的な化粧品・サービス企業が出展する展示会で、今年で第4回目を迎える。それまで製品、原料、パッケージなど専門別の展示会は存在していたものの、化粧品関連企業が一挙に集まる見本市はフランスでは初めてだった。

毎年10月にパリ・ルーヴル美術館直結イベントホール「カルーゼル・デュ・ルーヴル」で開催され、200企業が出展。そのうちの30%が外国企業(50カ国)という。2日間で4500人の業界関係者が来場し、商談、情報交換が行われる。出展企業の構成は、処方・製造27%、検査・分析24%、原材料21%、パッケージ14%、サポート部門14%、専門性の高いイノベーション企業がバランスよく参加している。

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コスメティック360の出展企業の分野別の割合


コスメティック360の2017年の様子は下記の動画でもチェックできる。

大企業の決裁者に直接プレゼンも可能

この見本市のメリットは、中小企業やスタートアップがロレアル、LVMHグループなどビッグカンパニーに直接アプローチできることだ。プロジェクトが魅力的であれば、決定権のある人物と個別商談ができる。これは「オープン・イノベーション」というプログラムで、自らのイノベーションを発表し、原料、処方、パッケージ、ロジスティック 、ディストリビューション、マーケティングサービスなどさまざまな視点からWin-Winのコラボレーションを提案できる。

2015年の開催以来、30カ国から700プロジェクトが提案され、500のB2B商談が実現された。アポイントなしで企業ブースを訪れ、担当者レベルでネットワークを広げることも可能だが、具体的なビジネスに進むかどうかは、もちろんプロジェクト次第だ。

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