P&Gなど美容大手が新興クリーンビューティブランドのM&A・提携へ、その10事例
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クラランスの親会社やロクシタン、ロレアルといったグローバル美容大手がクリーン&サステナブル系企業を傘下に収める動きが活発になっている。欧米でのM&Aや資本提携などの具体的な10事例を紹介しつつ、各ブランドの思惑を考察する。
2027年には115億ドル超、成長するクリーンビューティ市場
英国の調査会社、ブランドエッセンス・マーケット・リサーチによると、世界のクリーンビューティ市場の2020年の売上は54億4,000万ドル(約6,256億円)に達した。2020年から27年にかけては、毎年平均12.07%成長し、2027年には115億6,000万ドル(約1兆3,294億円)に到達すると同社は予測している。
このように拡大が予想されるクリーンビューティ市場をにらみ、大手化粧品企業が、将来性のある優良なクリーンビューティブランドを傘下におさめ、自社のリソースやノウハウを活用して、これらのブランドをさらに成長させようとする動きが目立ってきている。M&Aや大型の資本投入によりブランドポートフォリオ拡充戦略をとる大手ブランドの事例を検証する。
ポートフォリオをアップデートする手段としてのM&A
●クリーンなスキンケアブランドを拡充するロクシタン
2022年3月、仏ロクシタンがオーストラリアのクリーンビューティブランド「グロウン・アルケミスト(Grown Alchemist)」を買収した。グロウン・アルケミストは、アンチエイジングセラムなどがミレニアル&Z世代に人気で、サステナブルソーシング(持続可能な調達)にこだわるとともに、科学的な根拠のある製品づくりをするヘルスコンシャスなブランドだ。ロクシタングループはこの買収により、よりグローバルな消費者プロファイルとマーケットにリーチを広げる狙いを持つ。
ロクシタングループは、英国発のプレミアムスパ&スキンケアブランド「エレミス(ELEMIS)」を9億ドル(約1,100億円)で買収した2019年以降、スキンケアブランドのポートフォリオ拡充を図っている。2021年11月には、通称“お尻クリーム”「Brazilian Bum Bum Cream」で知られるボディポジティブなボディケアブランド「ソル デ ジャネイロ(Sol de Janeiro)」の株式83%を取得しており、グロウン・アルケミストが加わることで、ウエルネスや環境への意識が高い世代に一層のアピールを可能にしていく。
●注目のクリーンカラーコスメブランドを傘下に納めたクラランス
同じくフランスのビューティブランド「クラランス」の創業一族が持つホールディングス会社ファミーユCは、2022年2月に、売上の1%を地球に還元することをうたうグローバルネットワーク「1% for the Planet」のメンバーでもある米「イリア(ILIA)」を買収した。
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