オリーブインターナショナルが日本のCoogeeを傘下に、ミルクタッチなどグローバル進出強化へ
日本のマーケティング流通会社の株式会社Coogee(クージー)は、2023年4月、韓国の化粧品・消費財メーカー、オリーブインターナショナル(올리브인터내셔널)からのM&Aを受け入れ、グループに参画した。両社は2019年からオリーブインターナショナルのブランドである「ミルクタッチ(MilkTouch)」の日本展開で協業を始め、これまでに日韓共同コスメブランド「ノートーン(NOTONE)」のローンチなどの展開を広げてきた。その両社がグループとなり目指すのは韓国コスメの世界進出だ。その展望を聞いた。
ミルクタッチが日韓で成功、急成長を導いたマーケティング手法
オリーブインターナショナルは2019年に韓国で創業した化粧品・消費財メーカーで、日本でも展開する「ミルクタッチ」に加え「成分エディター(Sungboon Editor・성분에디터)」「B Project」「shimoment」など美容ブランドのほか、消費財ブランド「깔끔상회(さっぱり商会)」、幼児向けアパレル「Moongge, moongge.」などを展開してきた。
オリーブインターナショナルの強みは、ユニークなブランド作りにある。具体的には、人気インフルエンサーやアーティストのファンコミュニティや、あるいは既存のプラットフォームやチャネルに狙いを定め、そこに滞在している20万〜100万人規模の消費者グループを抽出し、そのグループのニーズをデータなどから分析して、適した商品を開発する手法をとっている。
韓国のみならず日本でもでヒットしたミルクタッチは、当時74万人フォロワーを持つ韓国の人気インフルエンサーのフォロワーを消費者グループとして抽出。“Start from you”をスローガンに、20〜30代の女性のトレンドやニーズを細かく反映したスキンケアとメイクアップ商品を開発した。その後、インフルエンサーのフォロワーというセグメントされた領域の外にも徐々に人気を広げ、日本ではこれまでに「オールデイ ロング&カールマスカラ」「ビーマイスウィートデザートハウスパレット」などの人気アイテムが、「LIPSベストコスメ2023」「ZOZOCOSME AWARDS 2023 上半期」などのコスメアワードを受賞している。
一方、ミルクタッチと同時期に発売したブランド、成分エディターは、スマホのメッセンジャーアプリのカカオトークをプラットフォームとして定め、そのユーザーである消費者が望む方向性に合わせて商品を企画する手法を取っている。“成分を最も大事にする”というスローガンのもと、化粧品成分を軸にした商品を展開。化粧品成分や肌悩みを起点とした商品かつスローエイジングカテゴリーで人気があり、20〜50代と幅広い年代から指示されており、リピート率も高い。その後ローンチしたB Project、shimomentも、先行する2ブランドのいずれかに準じた手法で開発・展開されている。
このような開発手法を取る理由について、オリーブインターナショナル CEO イ・ジンホ(이진호)氏は、「通常、企業が商品を作る場合は、商品を作ってからマーケティングを考えるが、この方法では広告によって売れ行きが左右される。私たちは、特定の消費者グループに向けた商品を開発するため、広告や販売先も大衆向けではなく、集中した投資を行うことで素早く成長できる。これからは、ブランドの拡散は、SNS中心になるのではないか」と語る。
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