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Glossierだけじゃない。D2Cブランドがポップアップストアをオープンする理由

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B2Cのオンラインセールスに特化し、ミレニアル世代やZ世代から爆発的な人気を得て急成長した “デジタルネイティブ” な米国コスメブランドが、ここにきて次々とポップアップストアをオープンしている。Glossierやキム・カーダシアンといった成功組が今、オフラインでの展開をはじめた理由とは?

2017年は、米国における小売店舗の閉鎖数が約7,000軒と、金融危機に揺れた2008年を超え過去最高を記録した年だった。にもかかわらず、リアルな店舗を持たずにオンラインでのみのマーケティングと販売をしてきたデジタルネイティブなブランドが、相次いでポップアップストアをオープンさせている。なぜこうした動きが出ているのだろう。ECこそが次世代のショッピングモデルではなかったのか?

どうやら、ことはそう単純ではないらしい。2017年の第3四半期の決算報告で、アマゾンはAmazon Goなどグループ傘下の実店舗の総売上高が12.7億ドル(約1,400億円)に達したことを明らかにしている。同時期のオンラインの売上高264億ドル(約2兆9,000億円)にくらべればもちろん小さいが、無視できない額であるのは間違いない。

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Shutterstock

つまり、店舗を抱えるビジネスは、コストパフォーマンスという意味ではリスキーな部分もあるが、正しいディレクションで運営すれば、まだまだ“うまみがある”というわけだ。

顧客エンゲージメントの深化

企業側はついつい、商品をどう売るのか、ECなのか、実店舗なのか、どのプラットフォームが適しているのか、ということを考えがちだが、実のところ一般消費者にとっては、チャネルはどれでもいいのである。大切なのは、ワクワクするようなショッピング体験ができるかどうか、自分にとって便利かに尽きる。だから、ブランドはどんなサービスや商品を提供するにしろ、他社との違いを鮮明にしてブランドらしさを打ち出すと同時に、顧客の共感を呼ぶアプローチが必要になる。

この顧客の共感という点において、店を訪れた買い物客と直接対話し、ニーズを聞き出すことでパーソナルな関係を築けるオフラインには一日の長がある。チャットボットやウェブサーベイだけでは表に出てきにくい本音や、ブランドのファンの実像を目にみえて知ることができるのだ。

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