「美ONE」など、中国トップKOLや所属MCNが自社ブランドやセレクトショップを立ち上げる事情
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中国ではクリエイターのチャネルの成長を支援しコンテンツ制作などをサポートするマルチチャンネルネットワーク(MCN)やキー・オピニオン・リーダー(KOL)が、自身の化粧品ブランドを立ち上げる動きが活発になっている。李佳琦氏などトップKOLの事例などから、その理由を探る。
李佳琦氏が所属する大手MCN「美ONE」はEC出店
中国の景気の減速傾向が続くなかで化粧品市場も低迷しているが、美容ブランドのマーケティングに欠かせないマルチチャンネルネットワーク(MCN)業界は堅調だ。中国の調査会社の智研瞻産業研究院のレポートによると、2023年のMCN市場規模は前年比20.1%増の500億5,000万元(約9,939億円)だった。2024年も好調で、上半期の市場規模は前年同期比22.4%増の306億2,000万元(約6,081億円)だった。
一方で、KOLマーケティングには異変が起きている。その影響力と桁違いの売上により「口紅王」とも称されたオースティン・リー(李佳琦)氏など、トップKOLにかつての勢いがない。
KOL自体の中国でのマーケティングにおける重要性や需要は変わらないものの、KOLの数は増え続けており、KOLに次ぐ立ち位置のキー・オピニオン・コンシューマー(KOC)も重視されてきている。そうした背景に加え、長引く不況で商品の低価格化が進み、かつ販売チャネルも多様化してきた。Douyin(抖音)をはじめとする短編動画プラットフォームの多くがEコマースに参入し、ライブコマースの場の提供をはじめたことにより、トップKOLの競争も激化し価格支配力が徐々に低下しているのだ。
中国版Instagram「RED(小紅書)」のレポートによると、消費者が化粧品に関する情報を得る際に好む手段は、短編動画が86.5%の1位で、以下、画像とテキストの組み合わせ70.1%、ライブ配信55.8%、テレビCM19.4%と続く。アリババグループのプラットフォームを主戦場とするトップKOLにとって、逆風が吹いている状況だ。
そうしたなかで、MCNや著名KOLが注力するのが自身のプラベートブランドの創設だ。オースティン氏が所属する「美ONE(美腕)」は、アリババグループのECプラットフォーム「Tmall(天猫)」に2024年6月、自社ショップ「美腕優選旗艦店」を開設、洗濯用洗剤の販売を開始した。P&Gなどの製品を手掛けるOEMメーカーGARCIA(加茜亜)が生産し、商品ラベルには「美ONE優選(MEIONE SELECT)」とGARCIAが持つブランドのロゴが印刷されている。
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