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SHIROのコスメロスを減らすアーカイブ販売、サステナビリティと成長性は両軸の企業哲学

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サステナブルであることとユーザーにとって憧れの対象となるブランディングのどちらも両立しているという意味で、かつ、そのサステナビリティについても、声高には語らず、それが当たり前のこととして社内に浸透しているという点で、SHIROは希有な存在といえる。1989年に株式会社ローレルとして誕生以来、その方針にぶれはない。同社が取り組むさまざまな施策を、株式会社シロで経営企画を担当する野木村美里氏に聞いた。


アウトレットではなく「アーカイブ」発想

SHIROは2020年からストックの販売方法のひとつとして、アーカイブ販売を行ってきた。アーカイブ販売では、限定製品として発売した製品のうち交換対応などに備えて本来の販売期間終了まで保管してきた在庫や、リニューアルによって残った旧製品の在庫を販売している。旧製品などについては、化粧品業界でもアウトレットとして滞留在庫などを販売する動きがあるが、SHIROでは値引きはせず正規価格での販売だ。

自社ECサイトと、表参道本店をはじめ全国3店舗限定で行うアーカイブ販売の経緯について、株式会社シロ 経営企画部門 経営企画グループ マネジャー 野木村美里氏は「SHIROは頻繁に新製品を発売しており、かつその多くが数量限定での販売という特徴がある。とくに2020年頃は限定のフレグランスが即日完売になることが続いたタイミングで、予備として保管し続けた在庫が少しずつ溜まり始めていた」と語る。

株式会社シロ 経営企画部門 経営企画グループ マネジャー 野木村美里氏
プロフィール/2019年、株式会社シロ入社。人事採用担当として入社後、コロナ禍での社内外の変化に対応するべく、お客様対応やEC運営など複数職種を経験。2021年より経営企画グループとして、全社の計画策定や施策の提案、部署横断的な取り組みの全体ファシリテーションなどを手掛ける

製品完売後であっても交換対応などのため一定期間販売せずに保管している製品を、再度販売チャネルに復活させることは難しい。店頭面積が限られていることから想定の販売期間を終了しても残る在庫製品もある。サステナブルであることが「当たり前」の判断基準として根づいている同社では、どのような理由であれ廃棄は避けたいという思いがあり、同時に消費者の気持ちに寄り添った形で在庫販売を行う必要もあった。2020年時点で、ブランド全体としてはこういった少量ずつではあるが多くのSKUを在庫として抱えることとなり、その結果として生まれたのがアーカイブ販売だった。

公式オンラインショップのアーカイブ販売ページ
出典:SHIRO公式オンラインショップ

「製品の中身には誇りを持ってつくっており、使用期限が迫っているのでもないので、価値が下がっているわけではないという意味でアウトレット販売はしない。欲しいと思っていただけるお客様に、そのままの価値でお渡ししたいとアーカイブ販売を考えた」(野木村氏)

ユーザーには、販売期間に買い損ねた製品や、リニューアル前の旧品など思い入れのある製品を購入できる機会として好意的に受け入れられているという。製品をより良くするための香料変更や容器のリニューアルであっても、前の仕様の製品が好きだったという顧客も一定数おり、なかでも、SHIROの前身であり北海道発のブランドとして展開していたローレル時代からの顧客は、それぞれの「好きなSHIROやローレルの姿」があり、リニューアル以前のものを求める声も寄せられていた。好評を裏付ける数字として、自社ECの2023年7月から11月現在までの購入数のうち、約6%がアーカイブ販売によるものだという。

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