Estée Laundryは透明性、Miraは公平性。米国の美容ブランドが一目置くサービス
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消費者がブランドに対して、より透明性や公平性を求めるようになった。ブランドの好ましくない行為などをチェックするSNSアカウントや、各プラットフォームに散らばるクチコミをまとめて可能な限り偏りのない情報をパーソナライズして提供するサービスなど、クリーンビューティ、エシカルビューティの動きが止まらない米国の2つのサービスを紹介する。
Forbesによると美容業界全体の市場規模は年間5,320億ドル(約58兆円)ともいわれ、拡大を続けるその勢いは今後もしばらく衰える気配がない。消費の活況を受け、北米ではいくつものインディビューティブランドが生まれ、ますます盛り上がりをみせている。
だが、クリーンビューティブームや男性コスメ市場の勃興など、市場を牽引するプラス要因も多い一方で、似たような謳い文句と処方を掲げて次々と発売される新商品の広告が洪水のように押し寄せる状況に、消費者が困惑しているのも事実だ。
情報やモノが過剰に氾濫しているからこそ「自分に本当に合った商品を見つけたい」「不必要なものはいらない」という消費者の欲求は強くなっている。そこから発し、過剰な消費に異を唱えるとともに、原材料や生産工程を明らかに表示して美容業界の透明性を向上させようという動きが起きている。
米国の美容業界が今最も恐れる「告発アカウント」
発端はファッション業界だ。価格調整や在庫処理のため廃棄される膨大な衣料品の量や、発展途上国で行われる低賃金労働など、近年ファッション業界の抱える闇が大きく問題視され、業界の在り方をサステナビリティに配慮する方向に転換するよう求められている。そんななか、ブランドの過去の盗作疑惑や文化的差別を告発してファッション業界の透明性向上に貢献するアカウントとして、「Diet Prada」のInstagramが話題となった。
そのビューティ版ともいえるアカウント「Estée Laundry」が今、大きな注目を集めている。Estée Laundryが提供しているのは、美容ブランドによる、ダイバーシティやサステナビリティに反する言動や、さまざまな「やらせ的」行為を消費者が告発できるプラットフォームだ。いわば非公式なウォッチドッグの役割を担いはじめており、その名の由来は「美容業界の汚れたモノ(laundry)」を明るみにするということのようである。
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