北欧、暮らしの道具店の化粧品ブランド、ユーザーの熱を巻きこみ2年で新たな柱に
◆ English version: The success story behind Hokuoh Kurashi no Douguten’s new cosmetic line and e-marketing strategy
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株式会社クラシコムが運営するメディア型ECサイト「北欧、暮らしの道具店」が化粧品をリリースした。ストーリーコマースの先駆けとして、創業から14年かけて育んできた価値観をベースに、ユーザーを新しい文脈へと自然に誘導し、そこでも新たな熱量を醸成することに成功している。そのプロセスには、ユーザーとの絶対的な信頼関係がある。
「北欧、暮らしの道具店」がオリジナルコスメを開発・販売。そのニュースは、業界だけでなく、同店のユーザーをも驚かせた。実際、メイクアップシリーズの誕生を伝える同店の記事は、次のような言葉から始まっている。
出典:北欧、暮らしの道具店
月間150万人が訪れる「フィットする暮らし、つくろう」がコンセプトのECサイト「北欧、暮らしの道具店」がプロデュースするオリジナルブランド「KURASHI&Trips PUBLISHING(クラシ アンド トリップス パブリッシング)」。同ブランドから2020年4月27日に発売されたメイクアップアイテムは、約1ヶ月半で販売個数6,000個を突破した。既存顧客だけでなく、同店のYouTubeのチャンネルやSNS経由で知った新規ユーザーも購入しているという。
この売れ行きについて、同社 取締役兼店長 佐藤友子氏は、「コロナ禍の大変な状況のなかではあったが、初速としては想定通りに売れてほっとしている。ただ、どんな状況であれ、これくらいの需要がなければ、事業として継続するつもりはなかった」と語る。
雑貨や洋服と同じ展開では、うまくいかないという肌感
メイクアップアイテムを発売する構想は、「KURASHI&Trips PUBLISHING」で服の販売を始めた3年前に遡る。売上の立ち上がりが非常によく、劇的にビジネスが伸長していく手応えを感じることができた。そして、同ブランドで次に狙う新カテゴリーの候補として美容分野があがった。ただ、佐藤氏には、北欧、暮らしの道具店がなぜ化粧品を扱うのかという理由や、会社としての意思を、ユーザーに説明する必要があるカテゴリーだという肌感があった。
そのため、佐藤氏がとったのは、それまで、雑貨や服で実践してきた小ロットの仕入れから始めてユーザーの反応や売れる商品の傾向を把握したうえで、オリジナル製品の開発に踏み切るというステップではなかった。まずオリジナル製品を開発してから仕入れを増やしていくという真逆のアプローチだ。自信をもって提供できるアイテムをしっかりつくり、ユーザーの共感や納得を醸成したのちに、急がずに品揃えを広げていくのがよいと考えた。
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