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米国Prose、AI活用のカスタムシャンプーが顧客満足度80%超の理由

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米パーソナライズ・シャンプーの先駆けの1つであるブランドProseは、創業1年目の2018年に月商100万ドルに達したとされる。なぜ、短期間にこれほどの成功をおさめることができたのか。同社の製品とサービスの裏側にあるブランド哲学と顧客との信頼関係を築くその手法について、創業者で現CEOのアルノー・プラー氏にインタビューを行った。

2017年12月創業のProseは、米国で急成長するパーソナライズ・ヘアケア市場で最も成功した新興企業の1つとして知られる。シャンプー、コンディショナー、ヘアマスクのオリジナル商品に加え、2018年末にヘアオイルを、また2019年秋にドライシャンプーとリーブイン・コンディショナー(洗い流さないコンディショナー)を新たに投入した。

目指すのは個々の消費者のニーズや目的、好みに応じてパーソナライズされたヘアケア商品を包括的に提供し、日々の生活の「パートナー」になることだ。ニューヨーク市の本社を訪ね、共同創業者兼CEOのアルノー・プラー(Arnaud Plas)氏に同社のビジネスや新しい顧客体験の提供、D2C企業の課題などについて聞いた。その内容を前後編の2回に分けて紹介する。

個々の消費者に「パーフェクトな商品」を

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Proseのアルノー・プラー
共同創業者兼CEO

Prose本社は美容やファッションのトレンド発信地として人気のソーホー地区にある。足を踏み入れて最初に目に入るのは、壁一面の棚に丁寧に陳列された商品群だ。広々と開放的なオフィスに受付らしきものはなく、訪問者に気づいた社員が気さくに対応してくれた。通された会議室には大きな窓から陽がいっぱいに差し込み、活気ある街の喧騒が伝わってくる。

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Proseのヘアケア商品
提供:Prose

競合他社と同じようにProseも、消費者にオンラインで質問に答えてもらうことから製品づくりがはじまる。回答を独自のアルゴリズムで分析し、世界規模で調達する約80種類の成分のなかから「個々の消費者にパーフェクト」(プラー氏)な組み合わせ(フォーミュラ)を選びだす。商品はすべて注文を受けてから製造するオーダーメードで、ブルックリン地区の工場で調合されたのち消費者に郵送し、注文後、5~10日間で手元に届く。

髪質や頭皮の状態、年齢、ライフスタイル(食生活、運動習慣、ストレスレベルなど)、住所(郵便番号を入力すると、その地域の紫外線量、湿度、水質などの環境因子データが自動的に抽出される)、仕上がりの希望(ヘアケアの目的、ボリュームアップやツヤ出しなど)やニーズなど、質問は約25個と多岐にわたる。それをもとに85のデータポイントをAIが分析するのである。ヴィーガン、グルテンフリーなど成分に関する要望やフレグランスの好み、アレルギーの有無なども考慮し、最終的にフォーミュラを決定する。Proseではこの過程をコンサルテーションと呼んでいる。

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