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リアル店舗と美容分野重視のJD.com、没入型ストアと即時配送網でアリババを猛追

◆ English version: JD.com boosts offline reach and beauty sector presence with an eye on overtaking Alibaba
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中国政府による巨大テック企業への圧力が強まるなか、中国EC2位のJD.com(京東集団)が攻勢をかけている。オフラインでは“MALL”と冠したOMO型の大型実店舗をオープンし、オンラインでは同日配送などラストワンマイルの時間の短縮に注力している。セフォラとの物流・OMO基盤における提携や、人気美容小売店のTHE COLORISTに積極投資など美容分野も重視している。

4万2,000平米の「京東MALL」にレジは2カ所だけ

JD.comは2021年9月30日、陝西省西安市に「京東MALL」の初店舗をオープンした。5層にわたる同店では家電、デジタル機器、スマートフォン、家具・インテリアを中心に、化粧品、玩具、スマートヘルス、自動車用品などさまざまなジャンルの商品を20万点以上取り揃えている。

京東MALLは、VR設備、バーチャル配信ルーム、スマートロボットなどのテクノロジーデバイスを備え、没入型の店舗体験を創り出した。ビューティサロン、eスポーツなど11のテーマ体験ゾーンに加え、29の製品インタラクティブ(お試し)体験エリアを設けており、ビューティサロンの体験エリアでは、ヘアアイロンや美容機器、化粧品を試すことができる。

陝西省にオープンした巨大な「京東MALL」
出典:JD.comのプレスリリース

現地メディアによると、売り場面積4万2,000平方メートルの大型店舗であるにもかかわらず、レジは2カ所しかない。テンセント(騰訊控股)のメッセージアプリ「微信(WeChat)」のミニアプリで商品に貼付されたQRコードを読み込み、その場で決済できる仕組みになっている。商品はすべて電子値札で管理され、ECでの価格に連動して自動的に価格を変更し、店舗とECの販売価格の整合性がとれるようにしている。

購入した商品を、自宅まで配達してもらうことも可能だ。通常の商品は、店から5km以内であれば2時間以内に配達し、設置作業が必要な商品に関しても、24時間以内に配達する。報道によると、オープンから10月7日までの一週間の国慶節連休の累計成約額は、1億5,000万元(約26億2,500万円)を超えたという。

JD.comは2019年、電化製品に特化した体験型店舗「京東電器超級体験店」を重慶市にオープンしている。京東MALLはそのグレードアップ版という位置付けで、ジャンルを家電以外に広げる狙いがあるようだ。プレスリリースによると、京東電器超級体験店の重慶店の2021年上半期の成約額は前年同期比105%増だった。6月には合肥店をオープンしたが、初日の成約額は1億6,600万元(約29億円)を超えたとされる。

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