ケリングが足元から見つめる持続可能性、ファッション・美容分野のイノベーションも
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グッチ、サンローランなどを擁するグローバル・ラグジュアリー・グループのケリングは、CARE (配慮)、COLLABORATE(協業)、CREATE(創造)をサステナビリティ事業戦略の3つの柱とし2025年までのロードマップを実行している。その一環として、スタートアップなどによる持続可能なイノベーションを支援するプログラム「ケリング・ジェネレーション・アワード」を創設しており、2024年、日本でも同プログラムが始まった。未来のラグジュアリーの創造を目指すケリングが推進する施策の数々と、その背景にある思想に加え、現在募集が行われている同アワードについて紹介する。
環境と社会に対しサステナブルで責任ある事業経営を推進するケリング
仏ブルターニュ地方出身の創業家が興したケリングは、グッチとイヴ・サンローランの買収にはじまり、ブシュロン、ボッテガ・ヴェネタ、バレンシアガなどのブランドを傘下に迎え入れて発展してきたラグジュアリー企業で、2023年にはビューティ部門ケリング ボーテ(Kering Beauté)を創設し、化粧品領域への参入を果たしている。
2023年の売上高が196億ユーロ(約3兆3,235億円)、グループの社員数は2023年度末の段階で4万9,000人にのぼるケリングは、「Empowering Imagination (イマジネーションをその先へ)」という企業理念のもと、戦略の中心にクリエイティビティ(創造性)を掲げ、ラグジュアリー業界大手の一角として、地球環境と社会に対してサステナブルで責任のある方法により未来のラグジュアリーを築くことを目指している。
また、ケリングでは「ラグジュアリーとサステナビリティは同一だ」とするフランソワ=アンリ・ピノー会長兼CEOの信念の下で、サステナビリティに携わる100人の専従スタッフを配した強固なガバナンス体制をはじめ、環境はもとより、関係するすべてのステークホルダーへの配慮と、長期的な財務パフォーマンスまでをカバーする真の意味でのサステナビリティの実現を、グループ全体が一丸となり推進していると強調する。
サステナビリティ戦略の中心となる3つの柱「配慮」「協業」「創造」
ケリングでは2025年までのロードマップとして、ケリングが地球、気候変動、天然資源に与える影響を改善する「CARE(配慮)」、従業員、サプライヤー、取引先など事業に関わる人々の幸福のために幅広い企業・団体と連携して業界全体をよりサステナブルにしていく「COLLABORATE(協業)」、そして、地球、業界、ブランドが長期にわたり繁栄するためのイノベーションを進めていく「CREATE(創造)」の3つの柱にもとづく戦略を立てている。
自社の生産活動のどこが環境に影響を与えているかを可視化、解決へ導く
⚫︎ CARE(配慮)
温室効果ガスの排出や、水・土地の利用といった地球環境課題は「製品がその役割を終える段階から製造過程、原材料の生産にまでさかのぼり、川上から川下までのサプライチェーン全体で考えるべきこと」とするケリングでは、自社の活動が環境に与える影響を測定し定量化する取り組みとしてEP&L(環境損益計算)を開発・実施している。衣類や皮革製品などファッションアイテムの製造においては原材料の生産や飼育に土地の利用が必要とされ、また二酸化炭素も多く排出されることは知られているが、このEP&Lを使用することにより、ケリングのサプライチェーンにおいて、環境への影響全体の約75%がTier3の加工処理とTier4の原材料の生産の2つの段階で発生しているという具体的な数値が判明したという。
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