オルビスが自宅の鏡に装着可能なIoTデバイスで叶えるパーソナライズスキンケア
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各種AI診断サービスの実装や実店舗との連動でORBISアプリを拡充するなど、テクノロジーによる顧客体験向上をDXの柱としてきたオルビスから、今春、IoTデバイスによる肌解析にもとづき自宅で完結するパーソナライズスキンケアサービスが2021年春にリリースされるとの発表があった。実際にどのような仕組みなのか、オルビスの事業担当者に話を聞くとともに、その背景としてオルビスが進めるDXとアプリコア事業戦略について考察する。
独自開発の肌測定IoTデバイス「skin mirror」で自宅ケア
手のひらサイズのIoTデバイス「skin mirror(スキンミラー)」を肌にあてると、独自の肌解析理論にもとづきユーザーの肌状態をカメラとセンサーを用いて自動解析。解析結果は専用アプリに記録され、日々貯まる肌データに、住んでいる地域の天候データほか、一人ひとりの肌悩みや生活習慣を掛け合わせ、最適なパーソナライズスキンケア商品を毎月届ける。それが、2021年1月20日、オルビスが今春からのスタートを発表したパーソナライズスキンケアサービスだ。
skin mirror(スキンミラー)
体験特化型施設「SKINCARE LOUNGE BY ORBIS」の設立や、物流センターの自動化を含む多面的なDXを推進し、ダウンロード数321万件(2020年12月31日時点)を超える「ORBISアプリ」に、各種AI診断などのユーザーがセルフでできる分析機能を次々と実装してきたオルビスにとって、パーソナライズスキンケアサービスはオルビスのポートフォリオのなかでも新しい目玉といえる。
このプロジェクトのために立ち上げられたオルビス株式会社 新規事業開発グループの諸町実希氏は「SNSなどから美容情報を丹念に収集するなど、キレイを目指して積極的に動き、スキンケアを楽しみながら頑張る方々がいる。こうした能動的な、いわば“自分の力で、正しく頑張りたい”という思いに応え、いつでも自分の肌を知ることができ、自分が行なっているスキンケアにエビデンスがあって、納得できる機会の提供が必要だと考えた」と、スキンミラー誕生の背景を語る。
オルビス株式会社
新規事業開発グループ 諸町実希氏
オルビスはそれぞれの人が持つ本来の美しさを引き出すエイジングケアにより、多様な美しさや可能性を広げるという考え方である、「スマートエイジング®」という価値観を提唱している。スキンミラーで得た肌データを蓄積し継続的に解析していくことで肌の変化を追い、常に肌状態を正確に知ることで、ユーザーが自分のスキンケアに確信が持てて、さらには自身の力でポテンシャルを引き出す喜びにつながる。その意味で、この新しいパーソナライズサービスはオルビスのコンセプトを体現している。
また、毎月届く商品は各自のデータにあわせて必要に応じてアップデートされる。たとえば、肌のゆらぎを感じたときなど、グラフで示される自身の肌データの変遷と商品がどのように関係しているのかなどがわかり、ユーザーの「自分の肌への知的好奇心を満たす」(諸町氏)設計としている。同時に専用アプリでは、その時々の肌状態にあわせて、手持ちのアイテムですぐにできる、各自におすすめのケア法のアドバイスも毎日受けられる。
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