「クラランス・ラボ」消費者と共に未来のブティックを作るポップアップストア
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クラランスが2020年1月末から1週間限定で、ポップアップストア「クラランス・ラボ(Clarins Lab)」をパリの北マレ地区にオープンした。特筆すべきは「消費者と共に未来のブティックを作る」というコンセプトだ。実際に訪れた現地レポートとあわせて検証する。
「クラランス・ラボ」の目論見は、近い将来の売り場作りやプロモーションに関する多彩なアイデアを店内に散りばめ、一般消費者にダイレクトに感想を尋ねて、その意見を今後に取り入れる点にある。移り変わる消費者ニーズを早期に発見し、対応するためのテスト・アンド・ラーンの実験店(ラボ)といえる。
同社は2018年にもパリにポップアップストア「クラランス・カラー・ガーデン(Clarins Color Garden)」を展開したが、その時はさまざまな体験を通してブランドを深く知ってもらうことが目的だった。今回は来店者へのアンケートをもとに、未来の店舗はどうあるべきかという知見を得ることが主眼で、コンセプトが明確に異なる。同社Webサイトには、「世界中の女性の声に耳を傾け、ニーズに応え、肌に向き合った製品を開発しつづけることがブランドの揺るぎない信念」とある。今回の「クラランス・ラボ」は一般消費者の声を店頭やサービスに反映させる試みで、ブランドの信念に基づいたプロジェクトといえよう。
本物のブティックのような期間限定の
「クラランス・ラボ」の外観
パリの北マレは、おしゃれなブティックが多く立ち並び、感度の高いパリジェンヌが集まる地区として知られる。このエリアにオープンした100平方メートルほどの「クラランス・ラボ」は、7つのコーナーに分かれている。
植物の力で五感を刺激する、リュクスなおもてなし
ドアを開けると、白いユニフォームをまとった笑顔のスタッフが出迎え、いわゆる日本のおしぼりが提供される。人肌に温められたふわふわのタオルには、同社のロングセラーであるフレグランス「オー・ディナミザント(Eau Dynamisante)」が染み込ませてあり、レモン、オレンジ、ゼラニウムなどの爽やかな香りが、来店者の五感を目覚めさせる。
笑顔で出迎える
「クラランス・ラボ」のスタッフ
このおしぼりを手渡すスタッフが「クラランス・ラボ」のコンセプトを説明し、同意を得たうえで、すべての体験を1つずつ案内していく。この専属の案内人は、普段はクラランスの美容部員として働いているため、ブランドや商品に関する知識も豊富で、メイクや同社独自の「クラランス・タッチ」の施術も可能だ。(クラランス・タッチについては後述する)
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