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ディオールやゲランなどLVMHの各メゾンがテクノロジーで実現する極上の体験価値【VivaTech 2023(2)】

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2023年6月14日〜17日に仏パリで開催された欧州最大のテックイベント第7回「VivaTechnology (VivaTech)」をレポート。第2回はLVMHグループが発表した、現実とバーチャルを行き来する”エクスクルーシブ”な特別体験、パーソナライズの精度や顧客満足度を高めるビューティデバイス、高品質な製品をより長く使い続ける循環モデル、あわせて、LVMHアワード受賞者のサステナブルスタートアップについて紹介する。


LVMHが目指す現実と仮想世界での卓越性

2023年もVivaTech会場の中央部に配置された600平方メートルの広さのLVMHパビリオンは「The Dream Box」と名づけられ、傘下のメゾン18ブランドが25のイノベーションを通して、各ブランド、顧客、起業家の全員の”夢”がどのように実現したかが披露された。同グループのマネージングディレクター、アントニオ・ベローニ(Antonio Belloni)氏は、「ラグジュアリー業界は素晴らしい製品、サービス、コミュニケーション、そして体験で、顧客の期待を超え、かつ驚かせなければならない。また、フィジカル(物理的な世界)とデジタルのタッチポイントをシームレスに行き来し、創造性や差別化は、現実と仮想世界で同レベルの卓越性を示す必要がある」と伝えた。

LVMHのパビリオン「The Dream Box」

その言葉を印象づけたのは、VivaTechの期間に発表した2つの企業との新しい戦略的提携だ。LVMHは、オンラインゲーム「フォートナイト」やクリエイター向けのゲームエンジン「Unreal Engine(アンリアルエンジン)」を開発したエピックゲームズと提携し、同社の強力な3D制作ツールを活用した、バーチャルの試着室やファッションショー、製品を360度どこからでも見られるカルーセル、AR、デジタルツインの作成など、没入型の顧客体験をより豊かにすることを明らかにした。あわせて、アップルとも提携し、iPhoneを使ったコンタクトレス支払い「Tap to Pay」を2023年末から米国のセフォラ、クリスチャン・ディオール・クチュール、セリーヌ、ティファニー、ルイ・ヴィトンで導入し、シームレスでセキュリティの高い購入体験を提供する

さらに、数々の老舗メゾンを抱える同グループにとって、高品質の製品を長く使い続けるための「循環(サステナブル)」のビジネスモデルは欠かせない要素であり、今回のLVMHイノベーションアワードでは、衣服のリペアやメンテナンスを提供しながら顧客ロイヤリティを高めるBtoBプラットフォーム「Save Your Wardrobe」がグランプリを受賞した。

ここからは、美容分野を中心に、会場で発表されたLVMHグループのいくつかのブランドのイノベーションをレポートする。

ディオール:人間×テクノロジーでよりプレステージなケアを提供

毎年VivaTechで先端技術のビューティデバイスを発表するディオール。今回はBeautyHealth (Nasdaq:skin)の特許技術を導入したフェイストリートメント「Hydrafacial」を発表した。

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