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最短10分も。韓国でのコスメ配送は「すぐ欲しい」に応えるクイックコマース時代へ

◆ English version: “Faster than Fried Chicken”- Cosmetics delivery in South Korea picks up speed as customers want their makeup on-demand
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韓国国内では化粧品のオンライン市場が好調を維持するなか、顧客の獲得に向けて当日〜数十分、なかには10〜30分以内を目指すという短時間配送が活発になっている。小売大手や化粧品メーカー、各ブランドはもちろん、デリバリー系プラットフォーマーも競争に参加。韓国での化粧品配送の主要プレイヤーを紹介しつつ、最新の状況をレポートする。

オリーブヤングなど自社配送当日〜数十分での配送を実現

韓国統計庁の発表によれば、2018年に9兆8,521億ウォン(約9,695億円)だったコスメのオンライン取引額は、2019年には12兆2,986億ウォン(約1兆2,103億円)にまで急拡大。その後2020年には12兆4,311億ウォン(約1兆2,233億円)と過去最高額を記録した。2021年後半から2022年にかけて個別月の統計ではやや横ばいとなっているものの、市場は好調を維持している。

市場の拡大に伴い、顧客を獲得するための配送サービス、いわば「クイックコマース」が活発になっている。美容企業や各ブランドが相次いで自社配送網を整備したり、配送プラットフォーマーとの提携を発表しており、数十分以内に化粧品をユーザーの手元に届けるサービスも登場している。その配送競争の過熱ぶりは、韓国メディアが「チキン(韓国ではチキンは宅配フードの代名詞)より早く届くコスメ」と表現するほどだ。

では実際にどのようなプレイヤーが配送競争に参入しているのか。まず自社の配送網を整備する小売大手企業としては、H&Bストア最大手のオリーブヤング(Olive Young)と新世界グループの統合オンラインモールSSG.comの動きが目立つ。

オリーブヤングは2018年から、1,000店舗を超える全国の実店舗網を活用。オンラインで発注を受けた商品を配送先の近隣の店舗から発送し、配送時間を短縮する「当日配送サービス」を展開している。その後は「お急ぎ便」「スリーフォー配送」「ミッドナイト配送」といったオプションが追加され、配送時間のさらなる短縮や利便性の向上が実現している。

たとえば、お急ぎ便は3時間以内の配送サービスだが、2021年の上半期に集計された同オプションの平均配送時間は約45分となっている。一方、スリーフォー配送とミッドナイト配送はそれぞれ、午後の3〜4時、夜間10〜12時の間の希望指定時間に商品を受け取ることができる。2018年のサービス開始から2021年末までに、当日配送の注文数はソウル地域だけで100万件を突破したという。

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