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クリーンビューティ領域に新たな定義、機能性を求める「クリーニカルビューティ」

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米国のクリーンビューティ専門小売のクレド・ビューティが同業フォランを買収するなど、クリーンビューティ領域では再編が活発化している。しかし、“クリーン”という言葉には、定義が曖昧だとの批判もつきまとう。成分・処方の安全性は当然の前提として、クリーンビューティを超えた「クリーニカルビューティ」が消費者の心を掴む動きが現れてきている。

影響力をもつクリーンビューティ小売とブランドの統合や再編

2022年10月、クリーンビューティ特化型リテーラー「Credo Beauty(クレド・ビューティ、以下、クレド)」が競合のクリーンビューティ小売「Follain(フォラン)」の買収を発表した(買収価格は非公表)。

クレドは、故シャシ・バトラ(Shashi Batra)氏とアニー・ジャクソン(Annie Jackson)氏により2015年にカリフォルニアで設立されたブランドだ。安全性、持続可能性、社会倫理性、供給源の4つの観点から、有害性が疑われる2,700種類以上の成分をまとめた「The Dirty List®」と、それをもとにした厳格なクリーンビューティ基準「Credo Clean Standard™」で知られている。2020年6月には、全米に1,254店舗を展開するウルタ・ビューティとの提携を発表。米国のクリーンビューティを語るうえで大きな存在感を示してきた。

米サンフランシスコにあるクレド・ビューティの店舗
出典:CISION

一方、フォランは、創業者兼CEOのタラ・フォーリー(Tara Foley)氏によって2013年に米ボストンで創業。独自のクリーンビューティ哲学を示す場としてオープンした1号店でのカウンセリング経験を活かして、のちに「クリーンビューティをより多くの人に提供したい」と自社ブランド製品の開発に着手し、有害の可能性があり使用を認めない成分を記した長いリストを絶えず更新しながら、クリーンかつ高機能をうたう製品を作ってきた。フォランのプライベートレーベルはウルタ・ビューティが取り扱っており、クレド同様、フォランもウルタとの縁がある。

プレスリリースでクレドのジャクソン氏は、「(クレドとフォランの)両社は、そのスタート時からずっと並走してきたといえる。クリーンビューティを牽引するリーダーシップや、業界内にポジティブな変化をもたらすこと、コミュニティへのプラットフォームの提供など、(買収には)さまざまな面で多くの整合性がある」と述べている。

また、クレドのCEOスチュアート・ミラー(Stuart Millar)氏も「両社は共通のミッションをもつ似通ったところのある会社だ」とし、フォランを傘下にすることで、クレドがクリーンビューティの分野での発言力をさらに強め、影響力を高め、ビジネスの成長にフォーカスできると話す。業界的にも、この2社の統合は自然な流れだと受け止められている。

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