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viewty肌測定AIは、化粧品レコメンドを再定義しブランドにソリューション提供へ

◆ English version: Getting flawless skin analysis through Japan-made “viewty” app: Unbiased AI recommendations backed by human expertise
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声優を起用したAIスマートミラーの開発を続けるなど、日本の有力なビューティーテックスタートアップとして注目を浴びるNoveraは、2019年12月にコア技術・肌測定AIを搭載した化粧品レコメンドアプリ「viewty」(ビューティ)を正式にリリース。同時に肌測定AIおよびソリューションをブランドや企業向けに幅広く開放していこうとしている。美容業界と肌測定AIを繋ぐことで、Noveraが実現を目指す世界をCEOの遠藤国忠氏に聞いた。

独自のコンセプトで練り上げた「普段使いの肌測定AI」

Noveraの目標のひとつは、肌測定AIを誰もがいつでもどこでも使えるよう「インフラ化」することだ。ユーザーにはパーソナライズされた化粧品の新たな購買体験を、ブランドや企業側には「スモールマス」を掴む手段を提供するところにある。

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出典:Novera

株式会社 Novera代表取締役 CEOの遠藤国忠氏によれば、2019年12月にリリースしたviewtyの初動はとても良かった。

「リリースから2日後には1万測定を、1週間で1万ダウンロードを達成した。現在もデイリーアクティブユーザーの60%が1日1回は肌測定を行ってくれている。広告はまったく打っていないので、ダウンロード数の伸びには驚いた。肌測定に関しても、当初は1週間に1回のペースで測定してもらえればいいと思っていたが、想像をはるかに超える反響だ」(遠藤氏)。

ブランドショップや店舗のカウンターではすでに利用されている肌測定(もしくは肌診断)だが、誰もが日常的に利用しているわけではない。その意味では、「まだ社会に浸透していないというのが実情だ」と遠藤氏は話す。

店舗で肌測定をするには、その場でメイクを落とすなど、用意に手間と時間がかかる。また、顧客側には買わなければならないのではないか、という心理的なプレッシャーもあるため、美容好きであっても利用するまでには高いハードルがある。遠藤氏はその点「viewtyは家にいながらスマホで簡単に測定できる手軽さから、頻繁に利用してもらえていると思う。また肌は毎日変わるので、定点で観測できるというのもviewtyのメリットだ」とする。

viewtyの詳細な機能は次の通りだ。まずカメラで肌を撮影すると、シワ、キメ、シミ、透明感、うるおい、毛穴、肌質、肌年齢など、8項目の肌の状態をAIが瞬時に測定・評価する。その後、解析された“リアルタイム”の肌データ、またユーザーが利用している化粧品、加えて肌状態が似ているほかのユーザーのデータを組み合わせ、各個人に最適な化粧品をレコメンドする。多種多様なブランドを横断して商品を選び出す公平性もviewtyの特徴だ。

「viewtyの最大の競争力は、肌測定の基準に、現役の美容部員など美の専門家200名以上の知見を取り入れた点にある。言い換えれば、カウンターでのみ受けることができた信頼性の高い肌測定サービスを、スマートフォンなどでも受けられるようにした」と遠藤氏は明かす。海外企業などが開発する肌測定AIは、医者や学者の知見が活かされていることがほとんどで、その意味ではどちらかというと医療やヘルスケアよりのアプローチといえる。一方で、普段の美容やメイクなどユーザー側の事情をよく知る美容部員の観点をつきつめ、“日常使いのための肌測定AI”を実装したのがviewtyだ。

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株式会社Novera
代表取締役 CEO 遠藤国忠氏

スモールマスを可視化する肌測定AI

Novera の肌測定AIは、こうした美容の現場の視点が入っていることに加えて、「ユーザーに使い続けてもらえる仕組み」つまり「データを収集・更新し続けるためのIT企業的発想の仕組み」の強みをあわせ持つため、ブランドや企業からも注目を集める。

「実際には日本で最もデータを多く持っているのはブランドや化粧品会社だ。しかし、データ利用を円滑に進めていくための知見や体制が不十分だったり、そもそもデータの使用許諾に制限があるなど、有効活用ができていない側面がある。またAIに関する理解がまだ追いついておらず、機械学習に適切なデータ形式を理解したうえで収集・利用することができないでいる。データを集め続けるための仕組みづくりやUX構築にも課題が多いとも聞いている」(遠藤氏)。

Noveraはそのような状況のなか、肌測定AIの仕組みをより多くのブランドや企業に提供しつつ強化していくことを次のフェーズとして設定している。

昨今、新型コロナウイルス感染症の影響が日本社会全体を直撃しているが、将来的に美容業界全体を活性化させる新たなソリューションとして活用してもらうことも目標のひとつだ。人々の外出が極端に少なくなり、多くのリアル店舗では売上が減少しており、割り当てられるプロモーションなどの予算も削減される方向にある。一方、ECを通じた販売強化には予算が充てられても、そもそもEC化率5%とまだまだ小さなパイゆえに、「すでに打てる手はやり尽くした」という企業やブランドも少なくない。

「POSデータを使用したとしても、先月買ったものを翌月にレコメンドするというような限られたコミュニケーションしか取ることができない。そんななかで、肌測定AIを使ったパーソナライズと提案は非常に有効なツールになると思う。ブランドのECに組み込んで、レコメンドをカスタマイズすることも可能だ」と遠藤氏は示唆する。

美容業界でも「スモールマス」を対象にしたマーケティングの重要性が浮上しているが、現段階では最適なメディアやマーケティング手法が十分に確立されていない。従来のマスマーケティングではターゲットにうまく“刺さらない”うえ、コスト的にも無駄が多い。その点、肌測定AIおよび収集されたデータ群は、「敏感肌」「乾燥肌」など、同じ課題感を持ったスモールマスを浮き彫りにすることができる。

「viewtyでは食事や運動に関するデータも取っている。すると、油っこい食品の摂取と肌荒れは相関関係がないとか、個人差によるということがみえてくる。今後、データの組み合わせを増やしていくことで、業界全体として何となく感じていたことをひとつずつ定量化することが可能になり、企業・ブランドがアプローチしたいスモールマスを可視化することができる。最終的には、OMO施策を支えるソリューションとしても重宝してもらえるはずだ」(遠藤氏)。

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出典:Novera

なお遠藤氏は、自社アプリのダウンロード数を伸ばすのか、もしくはB向けにソリューションを展開していくのかという二者択一的な考え方ではなく、「いつでもどこでも気づけばviewtyの肌測定AIに触れている」という状況を生み出していくのが理想的だという。また、肌測定自体が浸透していない状況では、関係各所とエコシステムを築く必要があると話す。

他方、ユーザーにとってベストなのは、アプリ、百貨店、ブランドなど、どこで測定してもデータが蓄えられ、自分にとって最適な商品がレコメンドされることだ。そのため、個人のデータがどこからでも紐づく「viewty ID」を導入していく計画だと遠藤氏は明かし「何よりもまず大事なのは、肌測定の習慣が広く根付くこと。ユーザーとクライアントが互いにメリットを最大化できるエコシステム構築していきたい」とする。

このようなNoveraの肌測定AIの強みが各所で発揮され、パーソナライズやスモールマスマーケティングを実現するためのスタンダードツール、肌診断のインフラとして静かに浸透していけば、ユーザーにとっても業界にとっても得るものは大きいはずだ。

Text: 河 鐘基(Jonggi HA)
Top image: Novera 提供


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