資生堂「パーソナルビューティープラン」が担うのは、地域に根ざすリアル重視のDX
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資生堂は、2022年2月14日より、全国の化粧品専門店、デパート、GMS、ドラッグストアにおいて、ビューティーコンサルタント(以下、BC)が作成したビューティープランを、顧客がデジタルで自宅に持ち帰り、いつでも、どこでも振り返ることができる「パーソナルビューティープラン(以下、PBP)」の提供を始めた。この新サービスの狙いと真価について、開発に関わった同社美容戦略部のチームメンバーに話を聞いた。
資生堂がPBPを開発した3つの理由
資生堂のBCの源流となる「ミス・シセイドウ」が誕生したのは、1934年のことだ。当時から、一人ひとりの顧客に合わせたカウンセリングを行い、美の処方箋「ビューティープラン」を手渡してきた。
そこから時代とともにサービスは進化し続け、2014年からはすべてのBCに「ビューティー・タブレット(以下B-TAB)」と呼ばれるiPadを配布。メイクシミュレーションや肌測定など、資生堂が開発したさまざまな応対ツールを使用しながら、店頭における顧客体験を提供してきた。
一方でビューティープランは従来と同じく、手書きしたものを紙で提供してきた。今回、提供を開始したPBPは、このビューティープランを作成する過程も含めた体験までをデジタル化したものだ。店頭で発行されたQRコードを顧客自身のスマートフォンで読み取ることで、自分だけのために作成されたビューティープランにアクセスできるようになる。単に紙からデジタルへとシフトしただけではなく、店頭における“オンリーワン”の応対を支援する点こそが、PBPの真の価値だ。
株式会社資生堂 エグゼクティブオフィサー チーフビューティーストラテジーオフィサー兼美容戦略部長 横田由香氏は、PBPが生まれた3つの理由と背景を次のように説明する。
1つめの理由は、BCが顧客の期待に応えにくくなってしまう時代が来るという危機感だ。PBPの起案が始まったのはパンデミックの直前だったというが、コロナ禍によって非接触の応対を求める顧客が増え、肌を直接触ることが難しくなったことで、この懸念は現実のものとなった。そうした状況のなかでBCの存在意義の向上について考えるスピードが加速した。
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