リトコスとアルデバラン、日本でソーシャルコスメをリードする2社の地域発の試み
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「ソーシャルコスメ(社会派コスメ)」という言葉がある。地域発の原材料を使い地域の社会課題も解決することを理想とするビジネスのあり方で、それを体現しているのがともに佐賀県唐津市に拠点をおく株式会社リトコス、アルデバラン株式会社だ。それぞれにソーシャルコスメのエコシステムを構築し、関わる人々のコミュニティを広げながら社会課題を解決する取組みについて詳しく話を聞いた。
唐津市の8つの離島で生産されるサステナブル原料に特化したリトコス
佐賀県唐津市沖にある8つの離島に特化し、同地で栽培した植物や未利用資源の化粧品原料化に取り組んでいるのが株式会社リトコスだ。
高島(たかしま)、神集島(かしわじま)、小川島(おがわしま)、加唐島(かからしま)、松島(まつしま)、馬渡島(まだらしま)、向島(むくしま)、加部島(かべしま)の8つの離島には、それぞれに豊かな自然環境が残っているが、温暖化の影響などによる第一次産業である漁業の衰退などが原因で、若い世代の人口が流出して学校が廃校になり、耕作放棄地が増えることでイノシシの獣害が増え、住環境の荒廃がすすむといった深刻な問題が起きている。
このような状況を目の当たりにした佐賀県生まれの株式会社リトコス 代表取締役 三田かおり氏は、島で新たに化粧品産業を興して、島の経済を活性化して離島の課題を解決することを目指して、2020年にNPO法人を、続いて2021年に株式会社を設立した。
三田氏は佐賀市東与賀町出身で、外資系ラグジュアリーブランドの美容部員を経験後、一般社団法人ジャパン・コスメティックセンター(JCC)のコーディネーターとして、加唐島などに自生するヤブツバキの活用を化粧品メーカーに提案する立場として関わるなかで、離島がさまざまな問題を抱えていることを知った。そして、「島に仕事を生み出し、活性化につなげたい」という思いで起業を決意した。
リトコスは、島民に畑の土地を借りたり、栽培を委託したり、耕作放棄地を利用したりして、ヤブツバキ、ローゼル、ホーリーバジル、キヌアなど5種類の植物を栽培する。栽培に使用する土地はすべて有機JASの認証取得済みだ。協力者である島民には、農作業や畑の賃借、作物の買取りなどで対価を支払う。
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