CIC Tokyoが始動、美容分野でもイノベーション創出の期待が高まるスタートアップエコシステム
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イノベーションは、ある1つのエリアだけを見ていては起こりにくい。それゆえオープンイノベーションの重要性が注目されるが、2020年10月に虎ノ門ヒルズビジネスタワーの15F・16Fに開設されたCIC Tokyoは分野をまたがるスタートアップの支援コミュニティとして日本最大級の規模を目指している。美容領域のイノベーションを志向する化粧品会社・ブランドにとっても注目すべき存在だ。
CICが掲げる「スタートアップコミュニティ」
CIC(ケンブリッジ・イノベーション・センター)の本社は米ボストン対岸のケンブリッジにある。同市は、MITやハーバード大など有名大学が集まる場所としても知られ、このCICは、1999年にMIT出身の2人の起業家によって立ち上げられてから「イノベーションの方程式」を実現してきており、グーグルが社員157人を常駐させてCICに米東海岸の本拠地をおくほか、スタートアップ400社以上を輩出してきた。
CICの大きな特徴は、スタートアップだけを集めたインキュベーション施設ではなく、ベンチャーキャピタル(VC)や大学、法律事務所や会計事務所なども入居し、スタートアップの支援を多面的に行えるハブとなる点だ。CIC自体がスタートアップに出資をすることはなく、中立な立場でスタートアップが成長するのにふさわしい場所、空間、さまざまなスペシャリストを招き入れることで、化学反応を起こし、起業家を支えることが目的だ。
このCICのアジア初の拠点がCIC Tokyoとなる。その開設にあたり、CIC Japanの会長に就任して念入りな準備をしてきたのが、A.T.カーニー日本法人会長でもある梅澤高明氏だ。一橋ICS特任教授、クールジャパン機構でも社外取締役をつとめ、大手からスタートアップまで、そのポテンシャルから課題等を詳細に把握している梅澤氏だからこその、さまざまな配慮がいきわたっている。
15階にはCIC Japanの姉妹団体である
ベンチャーカフェ東京も移転。
毎週木曜には、外部にも開かれた
コミュニティイベントを実施する
梅澤氏がこのCIC Tokyoの最大のミッションとしているのが、日本の有望なスタートアップの早期育成である。「中立な立場でさまざまな関係者を集め、1か所に密度の高いコミュニティをつくることで、スタートアップに関して日本が抱える3つの課題を解決していけるのではないかと考えている」と梅澤氏は話す。
CIC東京が解決する、スタートアップの3つの課題
「1つは、日本ではまだまだ少ないスタートアップの数そのものを増やしていくことだ。ここでは大学関係者や研究者にも来てもらい、素晴らしいアイディアをビジネスとして形にしていくこともできる。また、女性起業家のサポートも大きなテーマだ。日本でビジネスをスタートさせたい外国人にも広く門戸を開放していく」(梅澤氏)
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