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SDGsコスメの欧米における新トレンド、環境から女性支援、人権配慮までの本気度

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欧米の美容企業においては、ロレアルなどの大手がSDGs経営を推進するだけでなく、SDGsへの取り組みをブランド哲学として打ち出すスタートアップも数多く生まれている。こうした、いわばSGDsがDNAに埋め込まれた化粧品企業の動向と、このトレンドにおける「次の方向性」について考察する。

SDGs対応、そしてESG経営は美容企業にも重要な視点

SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略であり、2015年9月に国連で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を17のゴールとしてまとめたものだ。「2030アジェンダ」とあるように、2030年を目標達成の期限に設定している。17のゴールの内容は、気候変動対策や生態系保護といった環境に関するものだけでなく、貧困撲滅やジェンダー間・国家間の平等、質の高い教育、水の安全性など多岐にわたる。

2020年には金融庁が「日本版スチュワードシップ・コード」のなかで、機関投資家の投資判断においてもサステナビリティを考慮すべきであると明記し、上場企業にとってSDGs対応、つまりESG経営がより重要な意味を持つようになった。取引先選定の条件としてSDGsへの取り組みをチェックする企業もあり、企業規模にかかわらず無視できないテーマになりつつある。

また化粧品やパーソナルケア商品は自己表現の一環として購入されることが多く、消費者はブランドが発信する価値観が自分の好む方向性と合致しているかどうかをつねに意識している。こうした意味でも、とくにビューティ業界においてSDGsは避けて通れない課題だ。

SDGsが存在意義であるブランドは「環境」「ジェンダー」「人種」に配慮

この流れを受けて、美容グローバル企業はそれぞれSDGsやサステナビリティへの取り組みをすでに公開している。ロレアルは17のゴールのうち、「健康的な生活を確保し、福祉を促進」「ジェンダー平等を達成」「人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進」など14のゴールに貢献することを宣言した。ほかにもエスティ ローダー ユニリーバP&Gなど、各社が経営の多様な側面での取り組みについて発信している。

そしてSDGsに取り組んでいる美容企業は、大手だけではない。2015年のSDGs策定以前から、人体や環境に負担の少ない「クリーンビューティ」や、「エシカル」であることを志向するブランドやスタートアップが注目されていた。

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