欧米のフェムテック企業、M&Aなどでプラットフォーム化、美容領域との融合が加速
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2021年は、フェムテックにとって飛躍の年となった。フェムテック領域へのグローバルベンチャー投資額が初めて12億ドル(約1,380億円)を超え、米国ではユニコーン企業も登場。欧米では点在していたフェムテックサービスがプラットフォーム化し、ウエルネス、ビューティを包括したウィメンズヘルスへと統合する動きが加速しており、フェムテック企業のM&Aのニュースも相次いでいる。その最新動向をまとめた。
Maven Clinicはユニコーン企業に成長。英米のフェムテック市場
女性や家族の健康のための遠隔医療をベースにしたデジタルヘルスプラットフォーム「Maven Clinic」は、2021年8月に1億1,000万ドル(約127億2,000万円)のシリーズD資金調達を発表した。同社の価値は10億ドル(約1,160億円)以上となり、ユニコーン企業となった。ほかにも、英国の骨盤底筋トレーニングデバイス「Elvie」は、2021年7月に8,700万ドル(約100億円)のシリーズC資金調達を果たし、同じく英国の妊活アプリ「Flo Health」は同年10月に5,000万ドル(約57億8,000万円)のシリーズB資金調達を行うなど、フェムテック業界の勢いを示す大型資金調達が立て続けにニュースとなった。
また、米国のフェムテックスタートアップ「FemTec Health」は、化粧品サンプルを詰め合わせたBOX型サブスクリプションサービスで知られる「Birchbox」を買収し大きな注目を集めた。
FemTec Healthと連携し、肌診断にもとづくBirchboxのサンプル提案
FemTec Healthは、糖尿病患者、高血圧患者向けのヘルスケアデータの記録と管理プログラム「Livongo(元EosHealth)」をはじめ、6つのヘルスケア企業を立ち上げてきたカイモン・アンジェリデス(Dr. Kimon Angelides)氏が、最先端のゲノミクス(ゲノムと遺伝子について研究する生命科学)、予測知能、デジタル技術を駆使して、個々の健康プロファイルにもとづいてパーソナライズされたサービスや製品を提供し、女性のヘルスケアに革命を起こすことをミッションとして2020年5月に設立された。
製品、サービス、それぞれのデータ分析をまとめ、女性が一生を通じて継続的なケアが行えるプラットフォームを構築しており、特許出願中のBiomeAI™engineは、AIを活用した予測エンジンを用いて、ユーザーの遺伝子、マイクロバイオーム、生体データを分析し、パーソナライズされたホリスティックヘルスケアの提供を行う。
2021年10月にステルスモード(自社のサービスや製品を外部に公表しないまま事業を進めること)から脱して一般向けサービスをローンチし、すでにヒューストン、ニューヨーク、サンディエゴ、ロンドン、バルセロナ、アテネ、上海の各都市にオフィスを構え、従業員は150人以上、1,000万ユーザーを有している。
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