資生堂 ザ・ギンザ、ブロックチェーンで正規品保証とクロスボーダーO2Oを実現、見据える「次」
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株式会社資生堂の子会社である株式会社ザ・ギンザが運営するプレステージスキンケアブランド「ザ・ギンザ(THE GINZA)」は、2021年からIoT連携ブロックチェーンツール 「YUBIKIRI」を導入し、偽造品対策や購買状況の把握、クロスボーダーO2O施策に活用し、その先のSCM(サプライチェーンマネジメント)も見据える。同プロジェクトを牽引する株式会社資生堂 ザ・ギンザ グローバルブランドユニット 鈴木翔氏、YUBIKIRIを提供するトレードログ株式会社 代表取締役 藤田誠広氏に、現況や化粧品業界におけるブロックチェーン活用の展望について聞いた。
偽造品対策とブランド体験向上を目的にブロックチェーンを導入
ザ・ギンザは2021年6月にYUBIKIRIを活用したブロックチェーンシステムを稼働開始した。マーケティングとサプライチェーンマネジメントをまたぐブロックチェーン技術の本格導入は、ラグジュアリー化粧品ブランドとして世界初の試みだったという。ザ・ギンザの海外展開と同プロジェクトを担当する株式会社資生堂 ザ・ギンザ グローバルブランドユニット 鈴木翔氏は次のように話す。
「プロジェクト案が浮上した2019年当時は、化粧品市場においても偽造品の問題が課題となってきていた。プレステージスキンケアブランドであるザ・ギンザとしては、お客様が購入された商品が正規品であることをしっかり証明し、安心して商品を利用いただきたかった。また、お客様とダイレクトにつながり商品の購買状況をしっかりと把握したいというニーズがあり、試行錯誤の末にブロックチェーンシステムの導入に至った」(鈴木氏)
ザ・ギンザが導入したYUBIKIRIとは、ブロックチェーンと各アプリケーションを接続するミドルウェアだ。このソリューションを展開するトレードログ株式会社 代表取締役 藤田誠広氏はその仕組みを次のように説明する。
「企業がブロックチェーンを活用する際、サーバー、センサー、ECサイトなどさまざまなシステムやアプリケーションとつなぐために煩雑な開発作業が生じる。YUBIKIRIにはAPI接続を簡素化するコネクター機能が搭載されているため、それらの作業負担や開発コスト・期間を大幅に短縮することができる。また導入後も、ブロックチェーン動作のモニタリング機能などもありメンテナンスがしやすい」(藤田氏)
大手SI企業各社もブロックチェーン導入のための機能が搭載されたミドルウェアを展開しているが、YUBIKIRIの強みはシステムをつなげる点にフォーカスして可能な限りシンプルな機能のみを装備している点だ。そのため、大手企業のソリューションと比べて低コストでブロックチェーンをシステムに組み込むことができるという。
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